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保有株式の簿価

更新:2024-06-08 05:29:49読む:121

保有株式の簿価とは

保有株式の簿価とは、企業会計において、貸借対照表(B/S)に記載される、企業が保有する株式の取得原価のことです。具体的には、株式の購入代金に加えて、株式の取得に直接必要な費用(例えば、証券会社への手数料など)が含まれます。この保有株式の簿価は、企業の財務状態を把握する上で重要な指標の一つとなります。

保有株式の簿価と時価会計

企業会計では、原則として、資産や負債を歴史的な取得原価で評価する取得原価主義が採用されています。保有株式の簿価も、この取得原価主義に基づいて算出されます。しかし、株式市場は常に変動しており、保有株式の市場価格(時価)は、取得原価である保有株式の簿価とは大きく異なる場合があります。そのため、近年では、資産や負債を時価で評価する時価会計の導入が進められています。時価会計が導入されると、保有株式は時価で評価され、保有株式の簿価は、貸借対照表上では、時価と一致するように調整されます。

保有株式の評価差額金

時価会計が導入されると、保有株式を時価で評価した結果、保有株式の簿価との間に差額が生じることがあります。この差額は、評価差額金と呼ばれ、貸借対照表の純資産の部に計上されます。評価差額金は、実現していない利益または損失であるため、実現するまでは、税金の対象とはなりません。しかし、評価差額金の計上は、企業の財務諸表に大きな影響を与える可能性があります。

保有株式の減損会計

保有株式の簿価

企業会計では、保有株式の価値が著しく下落した場合、減損会計の適用が求められます。減損会計とは、資産の価値が下落した場合に、その下落を会計処理に反映させることです。保有株式の減損会計では、まず、保有株式の回収可能価額を算定します。回収可能価額とは、保有株式を売却することによって回収できると見込まれる金額と、保有株式を継続して保有することによって得られると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値のいずれか高い方をいいます。そして、回収可能価額が保有株式の簿価を下回る場合には、保有株式の簿価を回収可能価額まで減額し、その減額分を減損損失として、損益計算書に計上します。

保有株式の減損処理の影響

保有株式の減損処理は、企業の財務諸表に大きな影響を与えます。まず、減損損失の計上により、当期の純利益が減少します。また、保有株式の簿価が減額されるため、自己資本比率が低下します。さらに、減損処理は、投資家の企業に対する評価にも影響を与える可能性があります。減損処理は、企業の業績悪化を示唆するシグナルとして受け止められる可能性があり、株価の下落につながる可能性もあります。

保有株式の会計処理の重要性

保有株式の会計処理は、企業の財務諸表に大きな影響を与えるため、その適切な処理が求められます。企業は、保有株式の評価方法や減損会計の適用について、適切な判断を行う必要があります。また、投資家は、企業の財務諸表を読み解く際に、保有株式の会計処理に注目する必要があります。

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