株式質権設定における法的課題と実務対応

株式質権ぎけつけん写とは

株式質権ぎけつけん写とは、株式質権ぎけつけんの設定について、法務局に提出された設定登記申請書や添付書類の内容が記録された書類の写しを指します。原本に代わるものとして、権利関係を証明する重要な書類となります。

株式質権ぎけつけん写の役割

株式質権ぎけつけんは、債務者が債務を履行しない場合に備え、債権者が株式を処分して債権の回収を図る権利を担保するものです。しかし、株式質権ぎけつけんは目に見えるものではありません。そこで、株式質権ぎけつけんの存在を第三者に対して明らかにし、取引の安全性を確保するために、法務局に設定登記を行う必要があります。

株式質権ぎけつけん写は、この設定登記が正しく行われたことを証明するものであり、以下の役割を担います。

債権者にとって：債権を確保するための重要な証拠となる

債務者にとって：二重譲渡などのトラブルを防止する

第三者にとって：権利関係を明確に把握することを可能にする

株式質権ぎけつけん写の内容

株式質権ぎけつけん写には、一般的に以下の内容が記載されています。

登記の記録に関する事項：登記番号、登記原因、登記年月日など

質権設定者（債務者）に関する事項：氏名または名称、住所など

質権者（債権者）に関する事項：氏名または名称、住所など

質権の目的である株式に関する事項：会社名、種類、数など

債権に関する事項：債権の種類、金額、弁済期など

株式質権ぎけつけん写の入手方法

株式質権ぎけつけん写は、法務局で誰でも取得することができます。取得するには、以下の手順を踏みます。

法務局へ行く：管轄の法務局は、会社の所在地を管轄する法務局となります。

請求書を提出する：法務局に備え付けられている「登記事項証明書交付請求書」に必要事項を記入し、窓口に提出します。

手数料を支払う：手数料は、1通あたり数百円程度です。

株式質権ぎけつけん写を受け取る：請求から数分～数十分で発行されます。

また、郵送やオンラインでの請求も可能です。詳細は、法務局のウェブサイトなどを参照してください。

株式質権ぎけつけん写の注意点

株式質権ぎけつけん写は、あくまで設定登記がされたことを証明するものであり、質権の存在や効力を完全に保証するものではありません。例えば、質権設定後に株式が譲渡されている場合など、株式質権ぎけつけん写の内容と実際の権利関係が異なる場合があります。そのため、取引の際には、株式質権ぎけつけん写の内容だけでなく、その他の資料も参照し、権利関係を慎重に確認する必要があります。

また、株式質権ぎけつけんは、設定から一定期間が経過すると効力が失われます。そのため、取引の際には、株式質権ぎけつけんの効力が残っているかどうかも確認する必要があります。

株式質権ぎけつけん写は、企業間の取引において重要な役割を果たす書類です。その内容や入手方法、注意点などを理解しておくことが大切です。