相続赤字の会社株式

相続で赤字会社の株式を引き継ぐということ

親族が経営していた会社、あるいは自身が役員を務めていた会社が赤字経営を続けていた場合、相続によってその会社の株式を引き継ぐことになるケースがあります。しかし、相続赤字の会社株式には、相続税の負担やその後の経営責任など、多くの課題が潜んでいることを理解しておく必要があります。

相続税の負担と対策

相続が発生すると、相続財産には相続税が発生します。相続赤字の会社株式は、一見すると価値がないように思えるかもしれません。しかし、税法上は「財産」として扱われます。そのため、評価額に応じて相続税の課税対象となるのです。

ただし、赤字会社の株式には、評価減の特例が適用される場合があります。これは、会社の業績が悪化している場合、その会社の株式の価値も低いとみなされるため、相続税の負担を軽減できるというものです。

二次相続への影響

相続税の対策として、一次相続で相続赤字の会社株式を配偶者に相続させるケースがあります。配偶者には、高額な基礎控除があるため、相続税の負担を軽減できるからです。

しかし、この場合、配偶者が亡くなった際に二次相続が発生し、再び相続税の課税対象となります。二次相続では、基礎控除が低くなるため、結果的に相続税の負担が大きくなってしまう可能性もあるのです。

経営再建の可能性と判断

相続赤字の会社株式を引き継いだ場合、経営者として、その会社の再建に取り組むか、会社を清算するかの決断を迫られます。会社を再建するためには、経営状況を詳細に分析し、事業計画を見直すなど、多大な時間と労力を費やす必要があります。

一方で、会社を清算する場合も、負債処理や従業員の解雇など、多くの問題に直面することになります。いずれにしても、専門家の意見を聞きながら、将来を見据えた上で、最善の選択をすることが重要です。

専門家への相談

相続赤字の会社株式を巡る問題は、非常に複雑です。相続税の負担軽減、事業承継、経営再建など、様々な側面から検討する必要があります。そのため、税理士や弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが不可欠です。専門家のサポートを受けることで、リスクを最小限に抑え、円滑な相続手続きを進めることができます。