地方税と住民税における株式投資所得の課税影響について

地方税住民税株式とは

地方税住民税株式とは、地方税法において、住民税の課税対象となる株式のことを指します。具体的には、地方公共団体に住所を有する個人（住民）が所有する株式のうち、一定の要件を満たすものが課税対象となります。本稿では、地方税住民税株式の概要、課税の仕組み、納税方法、注意点などを詳しく解説していきます。

地方税住民税株式の対象となる株式

地方税住民税株式の対象となる株式は、以下の2つの要件を満たす必要があります。

1. 発行会社が地方税法上の「内国法人」であること

「内国法人」とは、日本の法律に基づいて設立された株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、相互会社などを指します。外国の法律に基づいて設立された会社（外国法人）が発行する株式は、地方税住民税株式の対象となりません。

2. 株式が「上場株式等」でないこと

「上場株式等」とは、金融商品取引法上の定義に基づき、証券取引所に上場されている株式や、証券取引所の登録を受けた金融商品取引所で取引される株式などを指します。上場株式等は、証券取引所等を通じて容易に売買することができるため、地方税住民税株式の対象から除外されています。

上記2つの要件を満たす株式、例えば、未上場会社の株式や、非公開会社の株式などが、地方税住民税株式の対象となります。

地方税住民税株式の課税の仕組み

地方税住民税株式は、所有している株式数に応じて課税されるのではなく、株式の「時価」に基づいて課税されます。時価とは、その株式を評価した時点における市場価格のことを指します。具体的には、以下の算式で算出されます。

課税標準額 = 時価 × 株式数 × 所有割合

時価は、原則として、毎年1月1日時点における時価が採用されます。ただし、相続や贈与などにより株式を取得した場合には、取得日における時価が採用されます。

地方税住民税株式の税率は、住民税の均等割の税率（市区町村によって異なる）が適用されます。例えば、均等割の税率が10%の市区町村の場合、地方税住民税株式の税額は、課税標準額の10%となります。

地方税住民税株式の納税方法

地方税住民税株式は、原則として、毎年6月に送付される住民税の納税通知書に基づき、納付します。納付方法は、市区町村によって異なりますが、金融機関の窓口、コンビニエンスストア、ペイジー、口座振替などが利用できます。

地方税住民税株式に関する注意点

地方税住民税株式に関する注意点としては、以下の点が挙げられます。

1. 株式の評価方法

未上場会社の株式や非公開会社の株式は、市場価格が存在しないため、評価方法が問題となります。一般的には、類似会社の株価や、会社の財務状況などを考慮して、評価額を算定します。評価額については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

2. 株式の保有割合

株式の保有割合が低い場合でも、地方税住民税株式の課税対象となる可能性があります。例えば、保有割合が1%未満であっても、株式数が多ければ、課税対象となる場合があります。株式の保有状況については、事前に確認しておくことが重要です。

3. 納税資金の準備

地方税住民税株式は、株式の時価に基づいて課税されるため、多額の納税額が発生する可能性があります。納税資金については、事前に準備しておくことが重要です。

地方税住民税株式は、複雑な制度であり、注意点も多岐にわたります。本稿の内容を参考に、ご自身の状況をよく確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することをおすすめします。