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株式額面種類変更と株式分割の影響分析

更新:2024-06-15 04:27:00読む:138

株式額面種類とは

株式額面種類とは、株式会社が発行する株式において、一株あたりに設定された金額のことを指します。従来、日本の会社法では、株式に額面を付さなければならない「額面株式」が原則となっていました。しかし、2001年の商法改正により、額面を付さない「無額面株式」の発行も認められるようになり、企業は資金調達の柔軟性を高めることができるようになりました。本稿では、それぞれの株式額面種類の特徴やメリット・デメリット、そして企業がどちらを選択するべきかについて解説していきます。

額面株式

額面株式の仕組み

額面株式とは、一株あたりにあらかじめ決められた金額(額面)が設定されている株式です。例えば、額面500円の株式を100株発行する場合、会社の資本金は5万円(500円×100株)となります。この額面は、株券に記載され、株主は少なくともこの金額以上の資金を会社に払い込む義務が生じます。

額面株式のメリット・デメリット

メリット

株価の変動が把握しやすい:額面を基準として株価が形成されるため、投資家は株価の変動を把握しやすくなります。

計算が容易:資本金や一株あたりの純資産額などを計算するのが容易です。

デメリット

株式額面種類

資金調達の柔軟性が低い:額面が低く設定されている場合、増資の際に多くの株式を発行する必要があり、手続きが煩雑になる可能性があります。

株価の値下がりリスク:業績が悪化した場合、額面を下回る水準まで株価が値下がりする可能性があります。

無額面株式

無額面株式の仕組み

株式額面種類

無額面株式とは、一株あたりに額面が設定されていない株式です。従来の額面株式とは異なり、株券に額面の記載はありません。発行する株式の総数と資本金の額を自由に決めることができ、資金調達の柔軟性が高い点が特徴です。

無額面株式のメリット・デメリット

メリット

資金調達の柔軟性が高い:額面がないため、発行する株式数や資本金の額を自由に決めることができ、機動的な資金調達が可能となります。

株価の値下がりリスクの軽減:額面がないため、理論上、株価がゼロになるまで値下がりする可能性がありますが、実際には、会社法上の資本金の払戻し制限などにより、一定の価格水準を維持する力が働くと考えられます。

デメリット

株価の変動が把握しにくい:額面がないため、株価の変動要因が複雑化し、投資家にとって株価の変動を把握することが難しくなる可能性があります。

計算が複雑:資本金や一株あたりの純資産額などを計算するのが複雑になる場合があります。

企業はどちらを選択すべきか

企業が額面株式と無額面株式のどちらを選択するかは、会社の規模、業種、成長段階、資金調達の計画などを総合的に判断する必要があります。一般的には、大企業や歴史の長い企業は、従来型の額面株式を選択することが多い傾向にあります。一方、ベンチャー企業や成長中の企業は、資金調達の柔軟性の高さから、無額面株式を選択するケースが増えています。

近年では、コーポレートガバナンスの強化や株主との対話促進の観点から、無額面株式への移行を検討する企業も増えています。無額面株式は、株式分割を容易に行うことができるため、投資単位を引き下げ、個人投資家を含む幅広い投資家層を獲得しやすくなるというメリットもあります。しかし、無額面株式は、株価の変動が把握しにくいという側面もあるため、投資家に対して十分な情報開示を行うことが重要となります。

株式額面種類

いずれの株式額面種類を選択する場合でも、会社法などの関連法令を遵守し、適切な手続きを踏まえる必要があります。また、株主に対して、株式の内容やリスクなどを分かりやすく説明することが重要となります。

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