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相続事業株式承継スキーム構築の実務と注意点

更新:2024-06-15 04:03:44読む:143

相続事業株式とは

相続事業株式とは、被相続人がその死亡時に所有していた株式のうち、被相続人が生前に事業を行っていた会社の株式であって、一定の要件を満たすものをいいます。相続税の課税においては、この相続事業株式に対して、一定の評価減の特例が認められています。この特例の目的は、事業承継税制と同様に、中小企業の円滑な事業承継を促進し、雇用の維持、経済の活性化を図ることです。

相続事業株式の要件

相続事業株式として認められるためには、以下の要件を全て満たしている必要があります。

1. 被相続人が発行会社の株式の2分の1以上に相当する議決権を有していること

これは、被相続人が会社に対して実質的な支配力を持っていたことを意味します。議決権の割合が2分の1未満である場合には、被相続人が会社経営に深く関わっていたとは言い難いことから、相続事業株式としては認められません。

2. 相続開始の直前3年間、被相続人がその会社の取締役であったこと

これは、被相続人が実際に会社の経営に携わっていたことを確認するための要件です。単に株式を保有しているだけでは、事業承継における重要性も低いため、相続事業株式としては認められません。

相続事業株式

3. 相続人が相続開始後3年間、その会社の取締役であること

これは、相続人が被相続人に代わって会社の事業を承継していく意思を持っていることを確認するための要件です。相続人が事業を承継する意思がない場合には、相続事業株式としての特例を受ける意味がないため、この要件が設けられています。

相続事業株式の評価減

上記の要件を満たす相続事業株式については、相続税の課税において、以下のいずれかを選択して適用することができます。

1. 小規模企業の事業承継における贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例

この特例は、一定の要件を満たす場合に、贈与税や相続税の納税を猶予または免除するものです。相続事業株式を後継者が相続する際に、多額の相続税が発生してしまうと、事業承継の大きな負担となりかねません。そこで、この特例を活用することにより、後継者は納税資金の確保に悩まされることなく、スムーズに事業を承継していくことができるようになります。

2. 相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、その価額から80%を控除する特例

この特例は、相続事業株式の評価額を最大80%減額できるというものです。相続税は相続財産の価額に応じて課税されるため、評価額が減額されれば、その分、納税額も軽減されます。この特例を利用することで、相続税の負担を軽減し、円滑な事業承継を促進することができます。

注意点

これらの特例を受けるためには、所定の手続きが必要です。また、要件を満たさなくなった場合などには、特例が取り消され、追徴課税を受ける可能性もあります。そのため、相続事業株式の特例を適用する際には、事前に税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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