確定申告における不要株式の税務上の取扱い

「確定申告不要株式」の概要とメリット、注意点

近年、スタートアップ企業を中心に注目を集めている「確定申告不要株式」。これは、従来の株式とは異なる税制上の優遇措置を受けられる新しい種類の株式です。本稿では、確定申告不要株式の概要、メリット、注意点について詳しく解説していきます。

１. 確定申告不要株式とは

確定申告不要株式とは、2020年4月1日に施行された「中小企業投資促進税制」によって創設された新しい種類の株式です。この株式を取得した個人投資家は、一定の要件を満たすことで、その株式にかかる譲渡益や配当所得を確定申告不要とすることができるというメリットがあります。

従来、株式投資による利益は、給与所得など他の所得と合算して確定申告を行う必要がありました。しかし、確定申告不要株式の場合、これらの手続きが簡素化され、投資家にとって大きなメリットとなります。

２. 確定申告不要株式のメリット

2-1. 確定申告の手間が省ける

最大のメリットは、その名の通り確定申告が不要になることです。投資初心者にとって、確定申告は複雑で時間のかかる作業です。確定申告不要株式であれば、これらの手間を省き、投資に集中することができます。

2-2. 投資初心者でも始めやすい

従来の株式投資では、確定申告に関する知識や手続きが必要となるため、投資初心者にとってはハードルが高いものでした。しかし、確定申告不要株式であれば、そうした知識や手続きが不要となるため、投資初心者でも気軽に始めやすくなります。

2-3. スタートアップ企業への投資促進

確定申告不要株式は、スタートアップ企業にとって、資金調達を円滑にする効果も期待されています。投資家にとっての魅力が高まることで、スタートアップ企業への資金流入が促進され、経済活性化にも繋がる可能性があります。

３. 確定申告不要株式の注意点

多くのメリットがある確定申告不要株式ですが、投資する際にはいくつかの注意点があります。

3-1. 投資対象が限定される

確定申告不要株式は、発行要件が厳しく設定されています。そのため、投資対象となる企業は限られています。具体的には、設立後10年未満で、資本金の額などが一定基準を満たす中小企業などが該当します。

3-2. 一定の要件を満たす必要がある

確定申告不要株式のメリットを受けるためには、投資家側にも一定の要件があります。例えば、年間の給与所得が2,000万円以下であること、特定の親族関係にある会社から発行された株式を取得していないことなどです。

3-3. 制度の変更や廃止の可能性

確定申告不要株式は、比較的新しい制度であるため、今後、制度内容の変更や廃止の可能性もゼロではありません。投資する際には、最新の情報を確認することが重要です。

４. まとめ

確定申告不要株式は、投資家にとって多くのメリットがある一方、注意点も存在します。投資を検討する際には、メリット・デメリット、注意点などを十分に理解した上で、ご自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて判断することが重要です。