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原価法による株式評価

更新:2024-06-08 05:16:28読む:105

原価法株式とは

原価法株式

原価法株式とは、企業が自己の株式を発行する際に、その発行価額を発行時に支出した費用(募集費用など)を控除した金額で計上する方法です。この方法は、特に非公開会社や新興企業において多く用いられています。なぜなら、これらの企業は株式市場で活発に取引されていないため、時価を適切に評価することが難しいからです。

原価法株式のメリット

原価法株式

原価法株式

原価法株式を採用するメリットは、主に以下の点が挙げられます。

1. 簡便性

時価評価が不要なため、計算が容易であり、事務負担が軽減されます。特に、株式市場で活発に取引されていない企業にとっては、時価の算定が困難な場合があるため、このメリットは大きいです。

2. 客観性

発行価額が客観的なデータに基づいて決定されるため、恣意的な評価が排除され、会計処理の信頼性が向上します。

原価法株式のデメリット

一方、原価法株式には以下のようなデメリットも存在します。

1. 時価との乖離

企業の業績や市場環境の変化によって、株式の時価は変動します。しかし、原価法では時価の変動が考慮されないため、貸借対照表上の資本金と企業の実際の価値との間に乖離が生じる可能性があります。

2. 投資家への影響

時価との乖離が生じている場合、投資家は企業の財務状況を正確に把握することが難しくなります。そのため、投資判断に影響を及ぼす可能性があります。

原価法株式の会計処理

原価法株式を採用する場合、発行時に受け取った金額から発行費用を差し引いた金額を資本金として計上します。例えば、1株あたり1,000円で10,000株を発行し、発行費用として100,000円を支出した場合、資本金は以下のように計算されます。

資本金 = (1,000円/株 × 10,000株) - 100,000円 = 9,900,000円

原価法株式と純資産

原価法株式を採用する場合、純資産は資本金、剰余金、その他資本構成要素で構成されます。原価法では、株式の時価変動は純資産に影響を与えません。

原価法株式の将来

近年、企業会計の国際的な調和の観点から、時価評価を重視する傾向が強まっています。そのため、将来的には原価法株式を採用する企業は減少していく可能性があります。しかし、非公開会社や新興企業においては、引き続き原価法が有効な選択肢となる可能性があります。

まとめ

原価法株式は、簡便性や客観性というメリットがある一方、時価との乖離や投資家への影響といったデメリットも存在します。企業は、それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自社の状況に応じて適切な会計処理を選択する必要があります。

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