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特別関係株式

更新:2024-06-15 04:09:22読む:189

特別関係株式とは何か

特別関係株式

特別関係株式とは、企業会計の分野で用いられる用語で、会社法上の親子会社関係や、持分法適用会社といった資本関係とは異なる、「特別な関係」にある株主が保有する株式を指します。具体的には、会社の役員やその親族、あるいは主要な取引先や関連会社などが保有する株式が、この特別関係株式に該当します。

特別関係株式の重要性:企業価値評価とコーポレートガバナンス

特別関係株式は、企業価値評価とコーポレートガバナンス(企業統治)の観点から、その重要性が認識されています。

1. 企業価値評価における特別関係株式

M&Aや株式公開(IPO)など、企業価値を適正に評価する必要がある際には、この特別関係株式の存在が、しばしば問題となります。なぜなら、特別関係株式は、通常の市場で取引される株式と比べて、その流動性が低く、また、その価格形成においても、特別な関係に基づく影響を受けている可能性があるからです。たとえば、会社の創業家一族が、経営支配権を維持するために、高値で特別関係株式を保有し続けているケースなどが挙げられます。

このような場合、企業価値を正確に算定するためには、特別関係株式の影響を適切に調整する必要があります。具体的には、割引キャッシュフロー法などの評価手法を用いる際、特別関係株式の保有比率に応じて、割引率やコントロールプレミアムを調整するなどの方法が考えられます。

2. コーポレートガバナンスにおける特別関係株式

特別関係株式は、コーポレートガバナンスの観点からも、重要な意味を持ちます。特別関係株式を保有する株主は、その特別な関係性を背景に、会社に対して、不当な影響力を行使する可能性があるからです。たとえば、会社の利益を損なうような取引を、関連会社に有利な条件で行わせたり、あるいは、経営陣の選任において、自らの利益に反する人物を排除しようとしたりするといったケースが考えられます。

特別関係株式

このような問題を防ぎ、健全なコーポレートガバナンスを確保するためには、特別関係株式に関する情報開示を充実させ、その議決権行使や株式の売買に関するルールを明確化する必要があります。また、社外取締役の導入や監査役制度の強化など、外部からの監視機能を高めることも有効な対策となります。

特別関係株式に関する今後の動向

近年、企業のグローバル化や投資家側の意識変化に伴い、コーポレートガバナンスの強化が、ますます重要視されるようになっています。それに伴い、特別関係株式の存在についても、その透明性や公平性を高めるための議論が活発化しています。今後、法規制の強化や企業側の自主的な取り組みなどを通じて、特別関係株式に関する問題解決が進むことが期待されます。

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