ホームページ > 金融市場

買い戻し株式需給悪化による株価下落リスク

更新:2024-06-15 03:33:15読む:199

買い戻し株式とは

買い戻し株式とは、企業が既に発行済みの株式を、株主から買い戻すことで自社株として保有する株式のことです。企業が自社の株式を保有することを「自社株買い」と呼びますが、買い戻し株式はこの自社株買いによって取得された株式を指します。

買い戻し株式の目的

企業が買い戻し株式を行う目的は様々ですが、主なものとしては以下の点が挙げられます。

1. 企業価値の向上

買い戻し株式を行うことで、市場に流通している株式数が減少し、一株当たりの価値が上昇する効果が期待できます。これは、企業の財務状況が健全であることを市場に示すシグナルとなり、投資家からの評価向上に繋がると考えられます。

2. 株主還元

買い戻し株式は、配当金とは異なる形での株主還元策としても有効です。企業が買い戻し株式を行うことで、株式市場における自社株の需給バランスが変化し、株価の上昇を促す効果が期待できます。

買い戻し株式

3. 敵対的買収対策

市場に流通している自社株を買い戻すことで、敵対的な買収を仕掛けてくる企業の保有株式比率を低下させることができます。これは、企業が経営権を維持するための防衛策の一つとして用いられます。

買い戻し株式の方法

買い戻し株式には、主に以下の3つの方法があります。

1. 公開市場買付け(TOB)

証券取引所を通じて、不特定多数の株主に対して株式の買い付けを行う方法です。株主は、TOBの価格と条件に納得した場合に株式を売却します。

買い戻し株式

2. 相対取引

特定の株主との間で、直接株式の売買契約を締結する方法です。TOBに比べて手続きが簡素であり、短期間で買い戻し株式を行うことが可能です。

3. 株主への売渡請求

企業が、一定の要件を満たす場合に、株主に対して株式の売却を請求できる制度です。

買い戻し株式に関する会計処理

買い戻し株式は、取得原価で貸借対照表の純資産の部(株主資本調整金)として計上されます。その後、買い戻し株式を売却した場合には、売却価格と取得原価の差額が、売却益または売却損として損益計算書に計上されます。また、買い戻し株式を消却した場合には、消却する株式の取得原価を株主資本調整金から控除し、資本金等の減少処理を行います。

まとめ

買い戻し株式は、企業価値の向上や株主還元、敵対的買収対策など、様々な目的で行われます。買い戻し株式の実施は、企業の経営戦略において重要な意味を持つと言えるでしょう。

Tagsカテゴリ