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貸し手における株式質入と法的リスク管理

更新:2024-06-15 03:32:52読む:195

貸し手に質入れする株式とは

企業が資金調達を行う際、金融機関から融資を受けることが一般的です。融資を受ける際には、担保を提供することが求められますが、その担保の一つとして、貸し手に質入れする株式があります。

貸し手に質入れする株式の仕組み

貸し手に質入れする株式

貸し手に質入れする株式とは、企業が保有する株式を担保として金融機関に提供し、その株式を基に融資を受ける仕組みです。具体的には、企業は保有する株式を質権設定契約に基づき、金融機関に質権を設定します。質権が設定されると、金融機関は、企業が融資を返済できなくなった場合に、その株式を売却し、融資金の回収を行う権利を得ます。

貸し手に質入れする株式のメリット

企業にとって、貸し手に質入れする株式による資金調達のメリットは、主に以下の3点です。

担保評価額が高額になりやすい:株式は、不動産などと比較して、市場価格が明確であり、評価額が高額になりやすいという特徴があります。そのため、多額の資金調達を行う際に有利です。

事業の自由度を維持できる:不動産担保などと異なり、株式を質入れしても、企業は引き続きその株式に関する議決権などの権利を行使することができます。そのため、事業の自由度を維持したまま資金調達を行うことが可能です。

手続きが比較的簡便:不動産担保と比較して、手続きが簡便であることもメリットの一つです。ただし、金融機関の審査や株式の評価など、一定の手続きは必要となります。

貸し手に質入れする株式のリスク

一方、貸し手に質入れする株式には、以下のようなリスクも存在します。

貸し手に質入れする株式

株式価値の変動リスク:株式市場の動向によっては、担保として提供した株式の価値が下落する可能性があります。そのため、当初予定していた融資額よりも少ない金額しか調達できない場合や、追加の担保提供を求められる場合があります。

貸し手に質入れする株式

経営支配権の喪失リスク:融資の返済が滞った場合、金融機関は担保として提供された株式を売却する権利を有しています。そのため、経営支配権の喪失リスクも考慮する必要があります。ただし、実際には、金融機関が株式を売却する前に、企業側と協議を行い、返済計画の見直しなどを検討するのが一般的です。

貸し手に質入れする株式に関する注意点

貸し手に質入れする株式による資金調達を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

信頼できる金融機関の選択:貸し手に質入れする株式は、企業にとって重要な資産を担保とするため、信頼できる金融機関を選択することが重要です。実績やノウハウが豊富な金融機関を選び、契約内容を十分に理解した上で契約を締結する必要があります。

株式価値の変動リスクへの対応:株式市場の動向によっては、担保として提供した株式の価値が下落する可能性があります。そのため、あらかじめ株式価値の変動リスクを考慮した資金計画を立てることが重要です。また、必要に応じて、追加の担保提供など、リスクヘッジ策を講じておくことも有効です。

専門家への相談:貸し手に質入れする株式は、専門的な知識を必要とする取引です。そのため、弁護士や税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。専門家のサポートを受けることで、リスクを最小限に抑え、円滑な資金調達を実現することができます。

貸し手に質入れする株式は、多額の資金調達が可能となるメリットがある一方、株式価値の変動リスクや経営支配権の喪失リスクなど、注意すべき点も存在します。そのため、資金調達を行う際には、メリット・デメリットを十分に理解し、自社の状況に合わせて慎重に検討することが重要です。

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