取締役会非設置会社における株式譲渡契約締結に関する株主総会議事録

取締役会非設置会社における株式譲渡

取締役会非設置会社において、株式譲渡は会社の将来を左右する重要な意思決定の一つです。株主総会決議を要するケースなど、法的な手続きを踏まえる必要があり、その手続きを明確化するために取締役会非設置会社株式譲渡議事録が作成されます。本稿では、取締役会非設置会社株式譲渡議事録の内容、作成における注意点、そして実務上のポイントについて解説します。

1. 取締役会非設置会社における株式譲渡の法的枠組み

会社法上、取締役会非設置会社における株式譲渡は、原則として株主総会の承認を必要としません（会社法166条）。しかし、定款で株主総会の承認を必要とする旨を定めている場合は、その手続きを経る必要があります。また、譲渡制限株式の場合には、会社法の規定または定款の定めに従って、取締役の承認や株主総会の承認を得る必要があります。

2. 取締役会非設置会社株式譲渡議事録の内容

取締役会非設置会社株式譲渡議事録には、以下の内容が記載されます。

議事録作成日時および場所

出席者（株主、譲渡人、譲受人など）

議題（株式譲渡の件）

議事内容

譲渡する株式の数および種類

譲渡価格およびその算定根拠

譲渡日

支払方法

株式の所有権移転時期

競業避止義務など、付随的な契約内容

決議事項（株式譲渡の承認）

出席者の署名または記名押印

3. 取締役会非設置会社株式譲渡議事録作成における注意点

取締役会非設置会社株式譲渡議事録を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。

正確性：記載内容は正確かつ詳細に記述する必要があります。特に、譲渡株式数、譲渡価格、譲渡日などの重要な項目については、誤記や漏れがないよう注意が必要です。

網羅性：議事録には、議題に関連するすべての事項を記載する必要があります。後々のトラブルを避けるためにも、決定事項だけでなく、決定に至るまでの経緯や反対意見なども記録しておくことが重要です。

明確性：議事録は、第三者が読んでも理解できるよう、明確な表現を用いる必要があります。専門用語を使用する場合は、その定義を明記するなどの配慮が必要です。

証拠性：取締役会非設置会社株式譲渡議事録は、株式譲渡に関する重要な証拠書類となります。そのため、原本を適切に保管し、紛失や改ざんを防ぐ必要があります。

4. 実務上のポイント

取締役会非設置会社における株式譲渡の実務においては、以下の点に留意する必要があります。

専門家への相談：株式譲渡は、法務、税務、財務など、専門的な知識を必要とする場面が多くあります。弁護士や税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

関係者への周知：株式譲渡は、会社や既存の株主に大きな影響を与える可能性があります。事前に関係者に対して、譲渡の目的や内容を十分に説明し、理解と協力を得ることが重要です。

円滑な手続き：株式譲渡の手続きは、スムーズに進めることが重要です。必要な書類を事前に準備し、関係者との連絡を密にするなど、手続きの遅延を防ぐよう努める必要があります。

5. まとめ

取締役会非設置会社における株式譲渡は、会社の将来を左右する重要な意思決定です。法令や定款に従った手続きを踏まえ、取締役会非設置会社株式譲渡議事録を作成することで、透明性と法的効力を確保することができます。株式譲渡を検討する際には、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めるようにしましょう。