株式保護預り制度の法的側面

株式保護預りとは

株式保護預りとは、証券会社が顧客から預かっている株式を、顧客の口座とは別に管理する仕組みのことです。これは、証券会社が倒産した場合でも、顧客の株式が会社の資産と分別して保全され、顧客に返還されることを目的としています。預けている株式に対する権利は顧客にあり、配当金や株主総会の議決権なども顧客に帰属します。

株式保護預りの必要性

証券会社は、顧客から株式の売買注文を受けると、自己の計算でその受託業務を行います。この際、顧客から預かっている株式を会社の資産と一元的に管理していると、証券会社が倒産した場合に、顧客の株式が会社の資産と混同されてしまい、顧客に返還されない可能性があります。このような事態を防ぐために、株式保護預りという制度が設けられています。

株式保護預りの仕組み

株式保護預りは、具体的には次のような仕組みで行われています。

1. 顧客が証券会社に株式を預ける際に、「保護預り」を指定します。

2. 証券会社は、預かった株式を会社の資産とは別に、信託銀行などの第三者に保管します。

3. 証券会社が倒産した場合でも、保護預りされている株式は会社の資産とは分別して保全され、顧客に返還されます。

このように、株式保護預りは、顧客の大切な資産を守るための重要な制度と言えるでしょう。

株式保護預りのメリット・デメリット

メリット

株式保護預りの最大のメリットは、証券会社が倒産した場合でも、預けた株式が保護されることです。これは、投資家にとって大きな安心感につながります。また、保護預りされた株式は、証券会社の債権者からの差し押さえも受けません。

さらに、株式保護預りを利用することで、証券会社による不正な取引を防ぐこともできます。証券会社は、保護預りされた株式を自由に売買することができないため、顧客の承諾なしに株式を処分することはできません。

デメリット

一方、株式保護預りには、以下のようなデメリットも存在します。

1. 手数料がかかる場合がある。

2. 株式の保管場所が変わるため、売買の際に時間がかかる場合がある。

ただし、これらのデメリットは、証券会社が倒産した場合のリスクを考えると、十分に許容できる範囲と言えるでしょう。

株式保護預りの種類

株式保護預りには、大きく分けて以下の2つの種類があります。

1. 特定預り: 預ける株式を特定して預ける方法です。

2. 一括預り: 預ける株式を特定せずに、証券会社に預けているすべての株式を一括して預ける方法です。

どちらの方法を選択するかは、投資家のニーズに合わせて決定することができます。

まとめ

株式保護預りは、投資家にとって非常に重要な制度です。証券会社に株式を預ける際には、必ず株式保護預りについて理解し、自身の資産を守るようにしましょう。