株式所得の種類

株式投資における所得の種類

株式投資は、企業の成長や収益に参画し、利益を得るための有効な手段の一つです。株式投資から得られる所得は、大きく分けて「配当所得」と「譲渡所得」の二つに分類されます。そして、これらの所得にはそれぞれ異なる税制が適用されるため、投資家は自身の株式所得種別を正しく理解しておく必要があります。

1. 配当所得

配当所得とは、保有する株式の発行企業が、その利益の一部を株主に対して分配する際に受け取る所得のことです。企業の業績が良い場合は、配当金の額が増加する傾向があり、投資家にとって魅力的なインカムゲインとなります。配当所得は、原則として「総合課税」の対象となり、他の所得と合算して課税されます。ただし、一定の要件を満たす場合には、配当所得を分離して課税する「申告分離課税」を選択することも可能です。

2. 譲渡所得

譲渡所得とは、保有する株式を売却した際に得られる所得のことです。具体的には、株式の売却価格から、購入価格や売却にかかった費用を差し引いた金額が譲渡所得となります。譲渡所得は、原則として「申告分離課税」の対象となり、他の所得とは分離して課税されます。譲渡所得の税率は、保有期間によって異なり、短期譲渡所得（1年未満）と長期譲渡所得（1年以上）に区分されます。

株式所得と税金

株式投資で得られる所得には、上述の通り「配当所得」と「譲渡所得」の二種類があり、それぞれ異なる税制が適用されます。投資家は、自身の株式所得種別に応じた税金の計算方法を理解し、適切な納税を行う必要があります。

1. 配当所得にかかる税金

配当所得は、原則として「総合課税」の対象となり、給与所得や事業所得などの他の所得と合算して課税されます。総合課税の場合、所得金額に応じて税率が段階的に上昇する累進課税が適用されます。ただし、一定の要件を満たす場合には、配当所得を分離して課税する「申告分離課税」を選択することも可能です。申告分離課税を選択した場合、配当所得には一律20.315%（所得税15.315%、復興特別所得税0.315%、住民税5%）の税率が適用されます。

2. 譲渡所得にかかる税金

譲渡所得は、原則として「申告分離課税」の対象となり、他の所得とは分離して課税されます。譲渡所得の税率は、保有期間によって異なり、短期譲渡所得（1年未満）と長期譲渡所得（1年以上）に区分されます。短期譲渡所得には一律30.315%（所得税15.315%、復興特別所得税0.315%、住民税15%）の税率が適用され、長期譲渡所得には一律20.315%（所得税10.21%、復興特別所得税0.21%、住民税10%）の税率が適用されます。

株式投資における節税対策

株式投資で利益を最大化するためには、適切な節税対策を講じることも重要です。ここでは、株式投資における代表的な節税対策を紹介します。

1. NISA（少額投資非課税制度）の活用

NISAは、年間120万円までの投資元本に対して、最長5年間、運用益が非課税となる制度です。NISAを利用することで、株式投資で得られた配当所得や譲渡所得にかかる税金を大幅に軽減することができます。NISAには、一般NISAとつみたてNISAの二種類があり、それぞれ年間投資限度額や非課税期間が異なります。自身の投資スタイルや投資目標に合わせて、適切なNISA口座を選択することが重要です。

2. iDeCo（個人型確定拠出年金）の活用

iDeCoは、毎月一定額を積み立て、その資金で投資信託や保険などを運用し、老後の資産形成を行う制度です。iDeCoでは、掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減することができます。また、運用益も非課税となるため、長期的な資産形成に有効な手段と言えます。

3. 損益通算

株式投資では、利益が出ることもあれば、損失が出ることもあります。損益通算とは、株式投資で発生した損失を、他の株式投資で得た利益と相殺することで、税負担を軽減する制度です。損益通算を行うことで、年間の税負担額を抑えることができます。