株式譲渡における贈与税の課税可能性について

株式の譲渡贈与税の概要

株式の譲渡贈与税とは、株式を贈与によって取得した際に課税される税金です。株式は、企業の所有権を表す証券であり、その価値は企業の業績や市場の動向によって変動します。そのため、株式の贈与は高額な財産の移動を伴うことが多く、税務上の問題も複雑になりがちです。

課税対象となる取引

株式の譲渡贈与税の課税対象となる取引は、主に以下のとおりです。

個人が、個人から株式を贈与により取得した場合

個人が、法人から株式を贈与により取得した場合

ただし、相続や遺贈によって株式を取得した場合は、株式の譲渡贈与税ではなく、相続税が課税されます。

税額の計算方法

株式の譲渡贈与税の税額は、贈与された株式の価額を基に計算されます。株式の価額は、原則として、贈与時の時価によって評価されます。時価の算定方法は、株式の種類や取引状況によって異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます。

上場株式：贈与日の終値

非上場株式：類似会社比較法、純資産価額法など

株式の価額が算定されると、次に、贈与税の基礎控除額（110万円）を差し引いた金額に、税率を乗じて税額が計算されます。税率は、贈与財産の価額に応じて、10％から55％まで段階的に設定されています。

株式の譲渡贈与税の特例

株式の譲渡贈与税には、いくつかの特例が設けられています。特例の適用を受けるためには、一定の要件を満たしている必要があります。

配偶者控除

配偶者に株式を贈与した場合、一定の要件を満たせば、贈与税が課税されない配偶者控除が適用されます。配偶者控除の適用を受けるためには、贈与された株式が、婚姻期間が20年以上である夫婦間で贈与されたものであること、などが要件となります。

事業承継税制

中小企業の経営者が、後継者に事業を承継するために株式を贈与する場合、一定の要件を満たせば、贈与税の納税が猶予される事業承継税制が適用されます。事業承継税制の適用を受けるためには、贈与者が一定の年齢に達していること、後継者が事業を承継する意思を持っていること、などが要件となります。

株式の譲渡贈与税の注意点

株式の譲渡贈与税は、複雑な制度であるため、注意が必要です。特に、非上場株式の贈与は、時価の算定が難しく、税務調査の対象となる可能性も高いため、注意が必要です。株式の贈与を検討する際には、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

納税の方法

株式の譲渡贈与税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与を受けた人が申告・納税する必要があります。納税方法は、銀行などの金融機関窓口、またはオンラインバンキングなどで行うことができます。

まとめ

株式の譲渡贈与税は、株式の贈与という行為に対して課される税金であり、その計算方法や特例、納税方法など、複雑な側面も持ち合わせています。株式の贈与を検討する際には、事前に十分な情報収集を行い、専門家への相談も検討しながら、適切な対応をとることが重要です。