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会社株式強制買取

更新:2024-06-08 05:32:58読む:149

会社株式強制買取制度の概要と実務上の留意点

近年、M&Aの手法として、あるいは少数株主対策として、会社株式強制買取(スクイーズアウト)が注目を集めている。会社株式強制買取とは、ある株主が会社株式の一定割合以上を取得した場合に、その株主が、他の株主の保有する株式を強制的に買取ることができる制度である。本稿では、会社株式強制買取制度の概要と実務上の留意点について解説する。

1. 会社株式強制買取制度の目的

会社株式強制買取制度は、主に以下の2つの目的で設けられている。

(1) M&Aの円滑化

M&Aにおいて、買収者は対象会社の株式の100%取得を目指すことが多い。しかし、少数株主が存在する場合、その同意を得ることが困難な場合や、時間やコストがかかる場合がある。そこで、会社株式強制買取制度を利用することで、買収者は少数株主の意向にかかわらず、速やかに株式の100%取得を実現することができる。

(2) 少数株主対策

少数株主の中には、経営に介入しようとしたり、高額な配当を要求したりするなど、会社にとって不利益な行動をとる者もいる。このような少数株主対策として、会社株式強制買取制度を利用することで、少数株主を強制的に排除することができる。

2. 会社株式強制買取の手続き

会社株式強制買取の手続きは、大きく分けて以下の3つの段階に分けられる。

(1) 株式買取請求

会社株式強制買取

まず、買取人となる株主は、会社に対して、株式買取請求を行う。この際、買取する株式の種類、数、価格などを明記する必要がある。

(2) 株主総会決議

会社株式強制買取

会社は、株式買取請求を受けた後、株主総会を開催し、株式買取に関する決議を行う。この決議には、株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)が必要となる。

(3) 株式買取

株主総会で株式買取が承認されると、買取人は、反対株主の保有する株式を強制的に買取ることができる。買取価格は、原則として、株主総会で決定された価格となる。

3. 会社株式強制買取における価格決定

会社株式強制買取における価格決定は、買取人と反対株主の間で最も争点となる部分である。法律上、買取価格は「公正な価格」とされているが、その算定方法については明確な規定がない。そのため、実務上は、裁判例や学説を参考にしながら、当事者間で協議して決定することが多い。

価格決定の際に考慮される要素としては、以下のものなどが挙げられる。

直近の株価

会社の資産価値

会社の収益力

類似会社の株価

4. 会社株式強制買取に関する実務上の留意点

会社株式強制買取を行う際には、以下の点に留意する必要がある。

(1) 価格決定の妥当性

前述のとおり、買取価格は「公正な価格」でなければならない。そのため、価格決定の際には、客観的な資料に基づいて、慎重に算定する必要がある。もし、買取価格が不当に低いと判断された場合、裁判所によって価格の変更を命じられる可能性もある。

(2) 少数株主への対応

会社株式強制買取は、少数株主の権利を大きく制限するものであるため、少数株主との間でトラブルが発生する可能性もある。そのため、会社としては、事前に少数株主に対して、買取の理由や条件などを丁寧に説明し、理解と協力を得られるよう努めることが重要である。

(3) 専門家への相談

会社株式強制買取は、複雑な手続きや法的知識を要する場面も多い。そのため、弁護士や公認会計士などの専門家に相談しながら進めることが望ましい。

5. 会社株式強制買取の将来展望

会社株式強制買取は、M&Aや少数株主対策として、今後も活用が進むものと考えられる。一方で、少数株主の権利保護の観点から、制度の在り方については、引き続き議論が重ねられていくことが予想される。

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