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株式少数支配権取得後の企業価値評価実務

更新:2024-06-08 02:28:53読む:167

株式少数支配権とは

企業会計において、株式少数支配権は、連結財務諸表を作成する際に重要な概念です。連結財務諸表は、親会社とその子会社群をあたかも単一の経済主体であるかのように表示するものであり、企業グループ全体の財政状態や経営成績を把握するために不可欠なものです。

連結財務諸表を作成する際、親会社は子会社の資産、負債、収益、費用などを自社のものとして合算します。しかし、子会社の株式を100%保有しているケースは稀であり、一般的には他の株主が存在します。この他の株主が保有する持分を株式少数支配権と呼びます。

株式少数支配権の表示

連結貸借対照表上では、株式少数支配権は、純資産の部の株主資本項目の中に表示されます。具体的には、資本金、資本剰余金、利益剰余金などの親会社株主に帰属する持分とは別に、"少数株主持分"または"非支配株主持分"といった項目を設け、そこに計上されます。

一方、連結損益計算書上では、当期純利益を親会社株主に帰属する部分と株式少数支配権者に帰属する部分とに区分して表示します。これは、当期純利益は、親会社株主だけでなく、子会社の経営に参加している少数株主にも帰属する利益であるという考え方に基づいています。

株式少数支配権の評価

株式少数支配権

連結財務諸表を作成する際には、子会社の取得原価と、取得日に子会社に帰属する純資産の取得日における公正価値との差額を、のれんや負ののれんとして認識します。この際、株式少数支配権の評価も重要な論点となります。

株式少数支配権の評価方法には、主に以下の2つの方法があります。

取得日における少数株主持分の公正価値による評価

取得日における識別可能な純資産の公正価値に少数株主の持分割合を乗じた金額による評価

いずれの方法を採用するかは、企業会計基準や実務上の慣習などを考慮して決定されます。

株式少数支配権の意義

株式少数支配権は、連結財務諸表において重要な意味を持ちます。まず、株式少数支配権の存在は、連結財務諸表が親会社単独の財務諸表とは異なるものであることを示しています。連結財務諸表は、親会社だけでなく、子会社を含む企業グループ全体の財務状態や経営成績を反映したものであり、少数株主の存在は、そのことを明確に示すものです。

また、株式少数支配権の金額は、子会社の規模や収益性などを判断する上で重要な指標となります。株式少数支配権の金額が大きいほど、子会社の規模が大きく、収益性も高い傾向にあると言えます。

さらに、株式少数支配権の変化は、企業グループの資本構成の変化を示唆するものであり、投資家や債権者にとって重要な情報となります。例えば、株式少数支配権の比率が上昇した場合、それは子会社の株式を新たに発行したか、親会社が子会社の株式を売却した可能性を示唆しています。

このように、株式少数支配権は、連結財務諸表を読み解く上で重要な要素の一つであり、投資判断を行う際には、その金額や変化に注目する必要があります。

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