2018年新興国株式市場の投資戦略分析

2018年の新興国株式市場を振り返る

2018年は、2018年新興国株式にとって厳しい一年となりました。年初は世界経済の拡大基調を背景に上昇傾向にありましたが、米中貿易摩擦の激化や米国の利上げ加速、原油価格の上昇などが重しとなり、下落に転じました。MSCI新興国株価指数は年間で約15%下落し、2015年以来の大幅な下落となりました。

要因1：米中貿易摩擦

2018年3月に米国が鉄鋼・アルミニウム製品への関税を発動したことを皮切りに、米中貿易摩擦が激化しました。両国は巨額の関税を掛け合うようになり、世界経済への悪影響が懸念されました。特に、中国経済への影響は大きく、中国企業の業績悪化や投資意欲の減退を招きました。これは、中国株の下落を通じて、2018年新興国株式全体のパフォーマンスにも影響を与えました。

要因2：米国の利上げ加速

米国では、堅調な経済成長を背景に、FRB（連邦準備制度理事会）が段階的に政策金利を引き上げる「利上げ」を進めました。2018年は4回にわたって利上げが実施され、市場予想を上回るペースとなりました。米国の利上げは、新興国から米国への資金流出を招き、新興国通貨の下落や株価の下落につながりました。2018年新興国株式も、この影響を大きく受けました。

要因3：原油価格の上昇

2018年は、原油価格が上昇傾向にありました。これは、世界経済の拡大による需要増や、産油国の減産などが要因です。原油価格の上昇は、新興国経済にとって、輸入コストの増加やインフレーションの加速につながるため、ネガティブな影響を与えます。2018年新興国株式も、原油価格の上昇の影響を受け、下落しました。

2019年以降の新興国株式市場の見通し

2019年以降の新興国株式市場の見通しについては、楽観的な見方と悲観的な見方が混在しています。楽観的な見方としては、新興国経済の成長ポテンシャルの高さが挙げられます。新興国は、先進国に比べて人口増加率が高く、中間所得層が拡大しており、今後も高い経済成長が見込まれています。また、新興国企業の業績も堅調に推移しており、株価の上昇を支えると期待されています。

一方、悲観的な見方としては、米中貿易摩擦の長期化や世界経済の減速懸念などが挙げられます。米中貿易摩擦は、両国の経済だけでなく、世界経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界経済は、米国の利上げや中国経済の減速などを背景に、減速懸念が強まっています。世界経済の減速は、新興国経済にも悪影響を及ぼし、株価の下落につながる可能性があります。

投資判断は慎重に

2018年新興国株式は、様々な要因によって大きく変動しました。2019年以降も、世界経済や政治情勢の変化によって、新興国株式市場は大きく変動する可能性があります。投資判断にあたっては、これらのリスク要因を十分に踏まえ、慎重に行う必要があります。

Description: この記事では、2018年の新興国株式市場のパフォーマンスを振り返り、下落の要因を分析しています。さらに、2019年以降の見通しについても、楽観的な見方と悲観的な見方の両面から考察しています。