株式売却益と分離課税制度：確定申告における留意点

株式売却益課税確定申告：投資家が知っておくべきこと

株式投資は、資産運用の一つの方法として人気があります。株式を売却して利益を得た場合、税金が発生することをご存知でしょうか？株式売却益に対しては、原則として「申告分離課税」という方法で課税されます。つまり、他の所得とは分けて税額を計算し、確定申告を行う必要があるのです。今回は、株式投資を行う上で避けて通れない「株式売却益課税確定申告」について詳しく解説していきます。

株式売却益課税の対象となる取引とは？

株式売却益課税の対象となるのは、国内外の株式等の譲渡しです。具体的には、下記のような取引が挙げられます。

証券取引所で購入した上場株式の売却

証券会社を通じて購入した非上場株式の売却

投資信託やETFなどの受益証券の売却

ただし、すべての株式売却益が課税対象となるわけではありません。例えば、非課税口座（NISA口座やジュニアNISA口座）内で売却した株式の利益は非課税となります。また、特定の条件を満たす少額投資非課税制度を利用した場合も、株式売却益は非課税となります。

株式売却益の計算方法

株式売却益は、「譲渡収入」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算します。

譲渡収入：株式を売却して得た金額

取得費：株式を購入した際に支払った金額（購入代金、手数料など）

譲渡費用：株式を売却する際に支払った費用（手数料、税金など）

例えば、1株1,000円で購入した株式を1株1,500円で1,000株売却し、手数料として5,000円支払った場合、株式売却益は以下のようになります。

（1,500円 × 1,000株） - （1,000円 × 1,000株） - 5,000円 = 495,000円

株式売却益課税の税率

株式売却益課税確定申告を行う場合、税率は一律20.315%（所得税15.315%、住民税5%）となります。ただし、分離課税を選択しない場合は、他の所得と合算して総合課税を選択することも可能です。総合課税を選択した場合、所得金額に応じて税率が5%～45%の累進課税となります。

株式売却益課税確定申告が必要な人

給与所得者で、年末調整で確定申告が不要な場合でも、以下のいずれかに該当する場合は、株式売却益課税確定申告が必要となります。

株式等の譲渡益が20万円を超える場合

特定口座（源泉徴収あり）を利用せずに株式を売却し、利益が発生した場合

損失が発生した場合でも、3年間の損失繰越控除を適用する場合

株式売却益課税確定申告の手続き

株式売却益課税確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に行います。申告方法は、以下のいずれかの方法があります。

e-Tax（電子申告）

書面による申告

e-Taxを利用する場合は、事前にマイナンバーカードを取得し、必要なソフトウェアを準備する必要があります。書面で申告する場合は、税務署で申告書を入手するか、国税庁のウェブサイトからダウンロードします。必要事項を記入し、必要な書類を添付の上、税務署に提出します。

まとめ

株式投資を行う上で、株式売却益課税確定申告は非常に重要な手続きです。適切な知識を持ち、正確な申告を行うように心がけましょう。税金に関する疑問点は、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。