株式相続における評価方法と節税対策

株式相続の費用はいくらか？

「親から相続した株式、一体いくらで売れるんだろう？」

株式を相続したものの、その価値が分からずお困りの方は少なくありません。現金とは異なり、株式は市場の状況によって価格が変動するため、株式相続いくらになるのか、簡単には判断できないからです。

では、株式相続いくらになるのか、その費用や評価方法について詳しく解説していきます。

株式相続における費用の内訳

株式を相続する際にかかる費用は、大きく分けて以下の3つです。

1. 相続税の申告費用

相続税の申告には、専門家である税理士に依頼するのが一般的です。税理士報酬は、相続財産の規模や内容によって異なりますが、目安として相続財産の1～2%程度が相場と言われています。株式の評価が複雑な場合や、相続人が多い場合は、さらに費用がかかる可能性があります。

2. 株式の評価費用

株式を相続する際には、その時点での時価を算定する必要があります。これを「相続税評価」と言い、この評価額に基づいて相続税が計算されます。株式の評価方法は、上場株式と非上場株式で異なり、それぞれ以下の方法が用いられます。

上場株式：原則として、相続開始日の終値を基準に評価します。

非上場株式：会社の規模や業績、資産状況などを考慮して評価します。評価方法としては、類似業種比準価額方式、純資産価額方式、配当還元価額方式などがあります。

非上場株式の評価は複雑なため、専門家である税理士や会計士に依頼するのが一般的です。株式の評価費用は、会社の規模や評価方法によって異なりますが、数万円から数十万円程度が相場と言われています。

3. 名義変更費用

株式を相続した後は、証券会社に手続きを行い、自分の名義に変更する必要があります。この際に、証券会社に支払う手数料が名義変更費用です。名義変更費用は、証券会社や株式の数によって異なりますが、数千円から数万円程度が相場と言われています。

株式相続の評価方法

前述の通り、株式の評価方法は上場株式と非上場株式で異なります。ここでは、それぞれの評価方法について詳しく解説します。

1. 上場株式の評価方法

上場株式は、証券取引所で売買されているため、市場価格が明確です。そのため、相続税評価においても、原則として相続開始日の終値を基準に評価します。ただし、相続開始日の前後に売買がなかった場合や、株価が著しく変動している場合は、他の方法で評価することもあります。

2. 非上場株式の評価方法

非上場株式は、証券取引所で売買されていないため、市場価格が存在しません。そのため、会社の規模や業績、資産状況などを考慮して評価する必要があります。主な評価方法としては、以下の3つがあります。

類似業種比準価額方式：類似の上場企業の株価を参考に評価する方法です。会社の規模や業績が類似している上場企業の株価を比較し、適切な調整を加えることで、非上場株式の評価額を算定します。

純資産価額方式：会社の純資産（資産から負債を差し引いた金額）を基準に評価する方法です。会社の資産を時価で評価し、負債を控除することで、純資産を算定します。この純資産を発行済株式数で割ることで、1株あたりの評価額を算定します。

配当還元価額方式：会社の将来における配当予想を基準に評価する方法です。会社の過去の配当実績や将来の収益予想などを考慮し、将来にわたって得られると予想される配当金額を現在価値に割り引くことで、評価額を算定します。

どの評価方法を採用するかは、会社の状況や評価の目的に応じて、最も適切な方法を選択する必要があります。非上場株式の評価は複雑なため、専門家である税理士や会計士に相談することをおすすめします。

まとめ

株式相続いくらになるのかは、株式の種類や評価方法、相続財産の規模などによって大きく異なります。そのため、一概に「いくら」とは言えません。株式相続を検討する際には、専門家である税理士や会計士に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。