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特定譲渡制限付株式相続における税務上の注意点と対策

更新:2024-06-15 04:08:44読む:198

特定譲渡制限付株式の相続とその留意点

特定譲渡制限付株式

近年、事業承継対策の一環として、あるいは、会社の支配権を維持するために、特定譲渡制限付株式を発行する企業が増加しています。特定譲渡制限付株式とは、株式を譲渡する際に、会社の承認を必要とするなど、譲渡に制限を設けた株式のことを指します。この種類の株式は、経営の安定化や少数株主の保護といったメリットがある反面、相続の際には、通常の株式とは異なる手続きや注意点が存在します。

相続時の手続きと注意点

特定譲渡制限付株式を相続する場合、通常の株式と同様に、相続税の申告と納税、そして、会社の株主名簿の名義変更手続きが必要となります。しかし、特定譲渡制限付株式には、譲渡制限が付されているため、相続人であっても、自動的に株主となるわけではありません。会社が定款で定めた手続きに従い、会社の承認を得ることが必要となります。

1. 会社の定款の確認

相続が発生した際には、まず、会社の定款を確認することが重要です。定款には、特定譲渡制限付株式の譲渡に関する規定が記載されており、相続の場合の手続きについても定められているからです。具体的には、相続人全員の同意が必要なのか、一部の相続人の同意で足りるのか、あるいは、会社が相続人を選択できるのかといった点が規定されている場合があります。

2. 会社への通知と承認手続き

特定譲渡制限付株式

定款の内容に従い、相続人は、会社に対して、相続の事実と、株式の取得を希望する旨を通知する必要があります。この際、相続関係を証明する書類(戸籍謄本など)や、相続税の申告書の写しなどを添付する場合もあります。会社は、通知を受けた後、定款に定められた手続きに従って、承認の可否を判断します。承認が得られない場合、相続人は、特定譲渡制限付株式を取得することができず、会社が定めた買取請求権を行使することになるケースもあります。

相続税評価

特定譲渡制限付株式の相続税評価は、通常の株式とは異なり、その譲渡制限の内容が評価額に影響を与える可能性があります。具体的には、「類似会社比較法」や「純資産価額方式」などを用いて評価が行われますが、この際、譲渡制限による価値の減少を考慮する必要がある場合があります。そのため、専門家である税理士などに相談し、適切な評価を行うことが重要です。適切な評価を行わなければ、後々、税務調査などで指摘を受け、追徴課税を受ける可能性もあるため、注意が必要です。

紛争防止と円滑な相続

特定譲渡制限付株式の相続においては、会社と相続人の間で、手続きや評価をめぐって、トラブルが発生する可能性もあります。このような事態を避けるためには、事前に、会社側と相続人側で、十分な話し合いを行うことが重要です。また、遺言書を作成しておくことで、相続人に対するメッセージを明確に伝えたり、相続の方法を指定することで、紛争を予防することも有効な手段となります。

まとめ

特定譲渡制限付株式

特定譲渡制限付株式の相続は、通常の株式の相続と比較して、複雑な手続きや注意点が存在します。相続が発生した場合には、会社の定款を確認し、専門家に相談するなど、適切な対応をとることが重要となります。円滑な事業承継を実現するために、事前に、相続について、家族や関係者と十分な話し合いを行い、準備を進めておくことが大切です。

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