非上場株式損益通算

非上場株式損益通算制度の概要

非上場株式損益通算制度とは、一定の要件を満たす非上場株式の譲渡益と譲渡損を、所得税の計算上通算して課税する制度です。これにより、非上場株式の売却による損失を、他の所得と相殺して税負担を軽減することができます。

適用要件

非上場株式損益通算制度を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。

譲渡する株式が、原則として取得後5年以上経過していること

譲渡する株式が、個人事業主が事業用資産として保有していたものではないこと

譲渡する株式が、相続や贈与によって取得したものではないこと

通算できる損益の範囲

非上場株式損益通算で通算できる損益は、以下の範囲に限られます。

譲渡益：譲渡価額から取得価額を差し引いた金額

譲渡損：取得価額から譲渡価額を差し引いた金額

通算方法

非上場株式損益通算では、譲渡益と譲渡損を以下の方法で通算します。

譲渡益が譲渡損を上回る場合は、譲渡益から譲渡損を差し引いた金額が課税対象となります。

譲渡損が譲渡益を上回る場合は、譲渡損から譲渡益を差し引いた金額が損失として繰り越されます。

繰り越し損失の取扱い

非上場株式損益通算で生じた損失は、翌年以降3年間繰り越すことができます。繰り越した損失は、他の所得と相殺して課税を軽減することができます。

非上場株式損益通算制度のメリット

非上場株式損益通算制度には、以下のようなメリットがあります。

非上場株式の売却による損失を他の所得と相殺できるため、税負担を軽減できる

損失を3年間繰り越すことができるため、長期的に税負担を軽減できる

非上場株式の投資を促進し、経済活性化に貢献できる

非上場株式損益通算制度の注意点

非上場株式損益通算制度を利用する際には、以下の点に注意が必要です。

適用要件を満たさない株式は、非上場株式損益通算の対象となりません。

譲渡益と譲渡損の通算は、原則として同一の株式についてのみ行われます。

損失の繰り越しは、3年間のみ可能です。3年を経過した損失は失効します。

非上場株式損益通算制度の活用方法

非上場株式損益通算制度を効果的に活用するには、以下の点を考慮することが重要です。

非上場株式の投資期間を5年以上確保する

譲渡益と譲渡損を適切に管理し、通算による税負担の軽減を図る

損失の繰り越しを活用し、長期的に税負担を軽減する

まとめ

非上場株式損益通算制度は、非上場株式の投資を促進し、税負担を軽減するための重要な制度です。制度の要件や注意点などを理解し、効果的に活用することで、非上場株式投資の収益性を向上させることができます。