株式投資戦略2019年11月売りシグナル分析

2019年11月の株式市場動向分析

2019年11月の株式市場は、米中貿易摩擦の動向や世界経済の先行き不透明感など、外部環境に左右されやすい展開となりました。月初は、米中貿易協議の進展期待から買いが先行し、日経平均株価は一時24,000円台を回復する場面も見られました。しかし、その後は、トランプ米大統領が香港人権・民主主義法案に署名するなど、米中対立の激化懸念が再燃し、株価は再び下落に転じました。月末にかけては、中国の景気減速懸念や原油価格の下落なども重しとなり、日経平均株価は23,000円台前半まで値を下げる場面もありました。

株式2019年11月売りの背景

株式2019年11月売りの背景には、以下のような要因が考えられます。

1. 米中貿易摩擦の長期化懸念

11月は、米中貿易協議が進展するとの期待が高まった一方、トランプ米大統領が香港人権・民主主義法案に署名するなど、米中対立の激化懸念が再び台頭しました。このため、投資家の間では、米中貿易摩擦が長期化するとの懸念が強まり、リスク回避の売りが優勢となりました。

2. 世界経済の先行き不透明感

世界経済の先行きについては、米中貿易摩擦の影響や中国経済の減速懸念などから、不透明感が強まっています。国際通貨基金（IMF）は、10月に公表した世界経済見通しで、2019年の世界経済の成長率見通しを3.0%に下方修正しました。このような状況下、投資家の間では、世界経済の先行きに対する不安感が高まり、株式市場からの資金引き揚げが進みました。

3. 企業業績の悪化懸念

日本企業の業績については、米中貿易摩擦の影響や世界経済の減速などから、悪化するとの見方が広がっています。東京証券取引所が発表した2019年7-9月期の決算短信集計によると、上場企業（金融除く）の経常利益は前年同期比13.4%減と、2四半期連続の減益となりました。このような状況下、投資家の間では、企業業績の悪化懸念が強まり、株式市場は売りに押される展開となりました。

12月の株式市場の見通し

12月の株式市場は、米中貿易協議の行方や米国の金融政策、企業業績などが注目されます。米中貿易協議については、12月15日に予定されている対中制裁関税の発動が見送られるかどうかが焦点となります。また、米連邦準備制度理事会（FRB）は、12月10-11日に開催される米連邦公開市場委員会（FOMC）で、政策金利の据え置きを決定するとみられますが、今後の金融政策の方向性について、パウエルFRB議長の発言内容が注目されます。企業業績については、11月14日に発表されたトヨタ自動車の2020年3月期連結決算が市場予想を上回るなど、好調な企業もみられますが、全体としては、米中貿易摩擦の影響などから、厳しい状況が続くと予想されます。

以上のように、12月の株式市場は、外部環境に左右されやすい展開が予想されます。投資家としては、引き続き、米中貿易協議の動向や世界経済の先行き、企業業績などを注視していく必要があるでしょう。