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取得原価株式

更新:2024-06-08 05:15:24読む:116

取得原価株式とは

取得原価株式とは、企業が発行した株式のうち、投資家が実際に支払った金額で評価される株式のことです。企業会計の原則の一つである「取得原価主義」に基づき、株式の取得価額をそのまま帳簿価額として計上します。この取得原価には、株式の購入代金だけでなく、取引手数料や消費税なども含まれます。

取得原価株式のメリット

取得原価株式を採用するメリットは、主に以下の点が挙げられます。

1. 簡便性が高い

取得原価株式

取得原価は、実際に支払った金額をそのまま計上するだけなので、計算が容易で事務処理の負担が軽減されます。特に、株式の取引頻度が低い場合や、小規模な企業にとっては大きなメリットとなります。

2. 客観性が高い

取得原価は、実際に取引が行われた金額に基づいているため、評価額が客観的であると言えます。そのため、恣意的な評価が入り込む余地が少なく、財務諸表の信頼性向上に繋がります。

取得原価株式のデメリット

一方で、取得原価株式には以下のようなデメリットも存在します。

1. 時価評価との乖離

取得原価株式

株式市場の価格変動が激しい場合、取得原価と時価との間に大きな乖離が生じる可能性があります。そのため、保有株式の実際の価値を適切に反映できない場合があります。

2. 含み益・含み損の把握が困難

取得原価では、時価評価を行わないため、保有株式に含み益や含み損が発生していても、その金額を把握することができません。そのため、投資判断の遅れに繋がる可能性も考えられます。

取得原価株式と時価評価株式

株式の評価方法には、取得原価株式の他に、時価評価株式があります。時価評価株式とは、期末時点で市場で形成されている価格(時価)で評価する方法です。時価評価株式を採用することで、保有株式の価値をより正確に把握することができますが、市場価格の変動がそのまま損益に反映されるため、企業業績が不安定になる可能性もあります。

企業会計における取得原価株式

企業会計において、取得原価株式は「投資有価証券」として処理されます。投資有価証券は、売却目的や支配目的を持たずに保有する株式や債券などを指します。取得原価株式は、原則として取得原価で計上され、決算時に時価が下落した場合にのみ、減損処理が行われます。

税務上の取扱い

取得原価株式

税務上、取得原価株式の売却益は、譲渡所得として課税対象となります。譲渡所得の計算方法は、売却価格から取得価額と譲渡費用を差し引くことで算出されます。

取得原価株式は、簡便性や客観性が高い反面、時価評価との乖離や含み益・含み損の把握が困難といったデメリットも存在します。企業は、自社の状況や投資目的などを考慮した上で、適切な株式評価方法を選択する必要があります。

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