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事業承継税制における担保株式の評価と納税猶予

更新:2024-06-08 05:38:06読む:148

事業承継税制担保株式の概要と活用

事業承継税制

事業承継税制

中小企業の経営承継において、後継者が多額の相続税負担により事業継続を断念せざるを得ないケースは少なくありません。このような事態を避けるため、日本には「事業承継税制」という制度が設けられています。この制度を活用することで、一定の要件を満たせば、相続税の納税猶予や免除を受けることができます。そして、この事業承継税制と密接に関係するのが、「事業承継税制担保株式」です。

事業承継税制担保株式とは、事業承継税制の適用を受ける際に、納税猶予を受けた相続税の担保として、後継者が取得した株式を指します。つまり、後継者は、納税猶予を受けた相続税を完済するまで、この株式を自由に処分することができません。もし、後継者が納税猶予期間中に株式を売却したり、担保に入れたりした場合、猶予されていた相続税が一括で請求されることになります。

事業承継税制担保株式のメリットとデメリット

事業承継税制

メリット

事業承継税制担保株式の最大のメリットは、後継者が多額の資金を用意することなく、円滑に事業を承継できる点にあります。相続税の納税猶予により、後継者は事業資金を確保しやすくなり、事業の安定化や成長に資金を充当することができます。また、納税猶予期間中に分割納税を行うことも可能であるため、後継者の資金繰りの負担を軽減することができます。

デメリット

一方で、事業承継税制担保株式には、株式の処分が制限されるというデメリットも存在します。後継者は、事業拡大のための資金調達や、経営状況の変化に対応するために株式を売却したくても、自由に処分することができません。また、金融機関からの融資を受ける際にも、担保として提供できないため、資金調達が困難になる可能性もあります。

事業承継税制担保株式の活用事例

例えば、父親が経営する会社を息子が承継する場合を考えてみましょう。会社の株式は父親が100%保有しており、その評価額は1億円とします。父親が亡くなり、息子が会社を相続することになった場合、相続税として約4,000万円の納税義務が発生します。しかし、息子は多額の資金を用意することが難しく、事業承継が困難な状況です。

そこで、息子は事業承継税制の適用を申請し、認められました。これにより、相続税の納税が猶予され、息子は会社を円滑に承継することができました。ただし、相続した株式は事業承継税制担保株式となり、息子は納税猶予期間中は株式を自由に処分することができなくなりました。

まとめ

事業承継税制担保株式は、事業承継における後継者の負担を軽減するための有効な手段となりえます。しかし、株式の処分が制限されるというデメリットも存在するため、メリットとデメリットを十分に理解した上で、活用を検討する必要があります。事業承継を検討する際には、専門家のアドバイスを受けるなど、慎重に進めることが重要です。

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