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株式仮処分決定による株主権行使停止問題

更新:2024-06-08 03:40:36読む:187

株式仮処分とは

株式仮処分とは、会社法上の紛争において、当事者の権利を保全するために、裁判所が暫定的な措置を命じる手続きです。これは、本案の判決が確定するまでの間、当事者の権利関係を仮に定めるものであり、民事保全法に基づいて行われます。

株式仮処分の対象

株式仮処分の対象となるのは、株式に関する権利義務一切です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

株式仮処分

株主総会の決議の効力停止または執行停止

新株発行の差止め

株式の譲渡の制限

株主名簿への記載または抹消

株式仮処分の要件

株式仮処分を申し立てるためには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 保全の必要性

まず、申し立てをせずに放置すると、権利の実現が困難になるなどの緊急の必要性が必要です。例えば、株主総会で違法な決議がなされようとしている場合、その決議が実行されてしまうと、後から取り消すことが困難になるため、保全の必要性が認められます。

2. 被保全権利の存在と内容

次に、保全を求める権利(被保全権利)が存在し、その内容が明確でなければなりません。例えば、株主としての議決権を侵害されたと主張する場合、自分が株主であること、そして議決権を侵害された具体的な事実を主張する必要があります。

3. 疎明

さらに、被保全権利の存在と保全の必要性について、証拠によってある程度の心証を裁判所に与える必要があります。この疎明は、必ずしも完全な証明である必要はなく、証拠書類や陳述書などによって、主張する事実の可能性を示せば十分です。

株式仮処分の効果

株式仮処分が認められると、裁判所の決定に従い、暫定的な措置がとられます。例えば、株主総会の決議の効力停止が認められた場合、その決議は仮処分決定が取り消されない限り、効力を持ちません。

株式仮処分の申し立て

株式仮処分の申し立ては、訴訟事件と同様に、管轄裁判所に申し立て書を提出することによって行います。申し立て書には、当事者の特定、被保全権利、保全の必要性、疎明方法などを記載する必要があります。

株式仮処分の審理

申し立てがされると、裁判所は、通常、当事者双方から意見を聞くための審尋を行います。審尋では、当事者は、それぞれ自分の主張を述べ、証拠を提出します。裁判所は、審尋の結果に基づいて、株式仮処分を発令するか否か、発令する場合の内容を決定します。

株式仮処分の取消し

株式仮処分は、あくまでも暫定的な措置であるため、本案の判決が確定するなど、一定の事由があれば取り消されます。また、相手方当事者は、担保を提供することによって、仮処分の執行を停止させることができます。

株式仮処分の活用

株式仮処分は、会社経営を巡る争いにおいて、迅速かつ効果的な手段となりえます。例えば、敵対的買収の防御策として、買収者が議決権を行使することを制限するために利用されることがあります。また、経営陣による違法行為から会社を守るために、株主が株式仮処分を利用することも考えられます。

株式仮処分は、会社の支配権や経営方針を左右する重要な手続きです。そのため、専門的な知識が必要となる場合が多く、弁護士などの専門家に相談することが重要です。

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