株式仮差押

株式仮差押とは

株式仮差押とは、債権者が債務者の株式を担保として確保するための仮差押の手続きです。債権者が債務者に対して金銭債権を有している場合、債務者がその株式を処分して債権を逃れるおそれがあるときに、債権者は裁判所に株式仮差押の申立てをすることができます。

株式仮差押の要件

株式仮差押を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。

債権者が債務者に対して金銭債権を有していること

債務者がその株式を処分して債権を逃れるおそれがあること

債権者が株式仮差押の申立てをする前に、債務者に対して債権の支払いを催告していること

株式仮差押の手続き

株式仮差押の手続きは、以下の手順で行われます。

債権者が裁判所に株式仮差押の申立てをする

裁判所が株式仮差押の許可を出す

債権者が株式仮差押の許可状を執行官に送付する

執行官が株式仮差押の執行を行う

株式仮差押の効果

株式仮差押が執行されると、債務者は株式を処分することができなくなります。また、債権者は株式の配当金や株主総会への出席権などの権利を行使することができます。

株式仮差押の解除

株式仮差押は、以下の場合に解除されます。

債務者が債権を弁済した場合

債権者が株式仮差押の申立てを取り下げた場合

裁判所が株式仮差押の解除を命じた場合

株式仮差押の注意点

株式仮差押を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

株式仮差押は、債権者の権利を確保するための仮の措置であり、債権の回収を保証するものではありません。

株式仮差押は、債務者の信用を傷つけるおそれがあります。

株式仮差押は、裁判所の許可が必要であり、許可が得られない場合もあります。

株式仮差押の活用事例

株式仮差押は、以下のような場合に活用されています。

債務者が株式を処分して債権を逃れるおそれがある場合

債務者が株式を担保として第三者に提供しようとしている場合

債務者が株式を第三者に譲渡しようとしている場合

株式仮差押の類似制度

株式仮差押には、以下のような類似制度があります。

動産仮差押

不動産仮差押

債権仮差押

株式仮差押に関する判例

株式仮差押に関する判例には、以下のようなものがあります。

最高裁判所平成25年12月17日判決

東京高等裁判所平成28年3月22日判決

大阪高等裁判所平成29年4月12日判決