日産株価RSI divergence分析今後の動向

日産自動車：変革期における株価予想

日本を代表する自動車メーカーである日産自動車。近年は、業績の低迷やカルロス・ゴーン元会長の事件など、逆風が続いています。しかし、2023年に入り、新型電気自動車の投入やアライアンス関係の見直しなど、新たな戦略を打ち出しており、今後の動向が注目されています。では、日産自動車の将来性と株価予想日産はどうなっていくのでしょうか？

業績の現状と課題

2020年以降、新型コロナウイルスの影響などにより、自動車業界全体が苦境に立たされています。日産自動車も例外ではなく、2020年度、2021年度と2期連続で最終赤字を計上しました。しかし、2022年度は、生産体制の回復や販売の持ち直しなどにより、最終損益は黒字に転換しました。とはいえ、依然として厳しい経営状況が続いていることは否めません。

日産自動車が抱える課題は、大きく分けて以下の3点です。

販売台数の低迷

ブランドイメージの低下

高い固定費

これらの課題を克服し、持続的な成長を実現するためには、抜本的な構造改革が求められます。

新たな中期経営計画「Nissan NEXT」

2020年5月、日産自動車は、新たな中期経営計画「Nissan NEXT」を発表しました。この計画では、2023年度までの3年間で、以下の3つを重点施策として掲げています。

選択と集中による事業構造改革

収益性の向上

財務基盤の強化

具体的には、世界販売台数を現在の約500万台から400万台規模に縮小する一方、電気自動車やSUVなど、成長が見込める分野に経営資源を集中させていく方針です。また、固定費の削減や生産性の向上などにも取り組むことで、収益力の強化を目指します。

今後の株価予想日産

日産自動車の今後の株価は、上記の「Nissan NEXT」の進捗状況に大きく左右されることになります。計画通りに業績が回復すれば、株価は上昇する可能性が高いでしょう。一方、計画が遅延したり、新たな問題が発生したりした場合には、株価は下落する可能性もあります。2023年8月現在の株価は、500円前後で推移しており、市場の期待感は高まっていると言えるでしょう。

ただし、投資判断はあくまでも自己責任で行ってください。本稿は、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

日産自動車の未来：EVシフトとアライアンスの行方

世界的なEVシフトが加速する中、日産自動車はEV「アリア」を投入するなど、電動化戦略を推進しています。また、ルノー、三菱自動車とのアライアンス関係も見直しを行い、競争力を強化しようとしています。これらの取り組みが成功するかどうかが、日産自動車の未来を大きく左右することになるでしょう。

電気自動車（EV）戦略

日産自動車は、2030年代前半までに主要市場に投入する新型車を全て電動化する目標を掲げています。その先駆けとなるのが、2021年に発売されたEV「アリア」です。アリアは、スタイリッシュなデザインと先進的な技術を搭載し、世界中で高い評価を受けています。

日産自動車は、EVの開発・生産において、アライアンスパートナーであるルノー、三菱自動車と連携しています。3社は、共通のEVプラットフォームを開発し、コスト削減と開発期間の短縮を図っています。また、EVの普及には、充電インフラの整備が不可欠です。日産自動車は、政府や電力会社と協力し、充電インフラの整備にも力を入れています。

アライアンスの行方

日産自動車は、1999年にフランスの自動車メーカーであるルノーと資本提携し、アライアンスを結成しました。その後、2016年には三菱自動車もアライアンスに加入しました。3社は、これまで、共同購買やプラットフォームの共有などを通じて、コスト削減や競争力強化を図ってきました。

しかし、近年は、各社の経営状況の違いや、電動化戦略の方向性の違いなどから、アライアンスのあり方が問われています。2023年2月、日産自動車とルノーは、アライアンス関係の見直しで合意しました。新体制では、ルノーが保有する日産自動車株の比率を43％から15％に引き下げ、両社の関係は対等なものになります。また、日産自動車は、ルノーが設立するEV新会社「アンペア」に最大15％を出資する予定です。

日産自動車は、新たな中期経営計画「Nissan NEXT」と、EVシフト、アライアンスの見直しを通じて、成長軌道への回帰を目指しています。これらの取り組みの成果が問われるのは、これからです。今後の日産自動車の動向から、目が離せません。