エクセディ株式会社におけるクラッチ技術の進化

駆動系部品のグローバルリーダー：エクセディ株式会社の挑戦

自動車業界は、100年に一度と言われる大変革期を迎えています。電動化、自動運転、コネクテッドといった技術革新が急速に進展し、業界構造そのものが大きく変化しようとしています。このような変化の波は、自動車部品メーカーにも大きな影響を与えており、従来の技術やビジネスモデルだけでは生き残ることが難しくなってきています。そんな中、エクセディ株式会社は、1950年の創業以来、クラッチ、トルクコンバータ、デュアルマストルクライニングDMTなどの駆動系部品のリーディングカンパニーとして、常に業界をリードしてきました。本稿では、エクセディ株式会社が現在そして未来において、どのように変化に対応し、新たな価値を創造しようとしているのか、その取り組みについて詳しく解説していきます。

CASE時代の変化と駆動系部品の重要性

電動化、自動運転、コネクテッド、シェアリング/サービスの頭文字をとった「CASE」は、自動車業界の未来を大きく変える可能性を秘めています。特に、ガソリン車から電気自動車（EV）へのシフトは、駆動系部品メーカーにとって大きな転換期となるでしょう。EVはエンジンを搭載せず、モーターで駆動するため、従来のガソリン車とは根本的に構造が異なり、求められる部品も大きく変わってきます。しかし、EV化が進んでも、「走る・曲がる・止まる」という自動車の基本性能に対する要求は変わることはなく、むしろ、安全性や快適性に対する要求はますます高まっていくことが予想されます。そのため、駆動系部品には、これまで以上に高度な技術力と品質が求められるようになるでしょう。

エクセディ株式会社の強み：長年培ってきた技術力と開発力

エクセディ株式会社は、長年にわたり、クラッチやトルクコンバータといった駆動系部品の開発・製造で世界トップクラスのシェアを獲得し、高い技術力と品質で自動車産業の発展に貢献してきました。同社の強みは、単に部品を供給するだけでなく、自動車メーカーと共同で開発を行うことで、それぞれの車種に最適な製品を提供してきたことです。この「協働開発」によって、顧客のニーズを的確に捉え、高性能で高品質な製品を生み出すことが可能となっています。また、エクセディ株式会社は、世界各地に生産拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。これは、変化の激しい自動車業界において、顧客のニーズに迅速かつ柔軟に対応するために不可欠な要素となっています。

電動化時代に向けた取り組み：新たな駆動システムへの挑戦

エクセディ株式会社は、EV化の波にも積極的に対応し、電動車向け駆動モジュールなど、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいます。同社は、従来の技術やノウハウを活かしながら、モーターやインバータなど、電動車特有の技術開発にも力を入れており、既にいくつかの製品を市場に投入しています。例えば、EV向けには、高効率な動力伝達を実現する2速トランスミッションを開発し、世界的な自動車メーカーに採用されています。また、ハイブリッド車（HV）向けには、モーターとエンジンをスムーズに切り替えるための高度な制御技術を駆使したクラッチを開発し、燃費向上に貢献しています。これらの取り組みは、エクセディ株式会社が、単なる部品メーカーではなく、システムサプライヤーとして、電動化時代においても重要な役割を担っていくことを示しています。

未来への展望：安全・快適・環境に貢献する技術開発

エクセディ株式会社は、将来を見据え、自動運転技術やコネクテッド技術など、CASE時代の新たな技術開発にも積極的に取り組んでいく方針です。例えば、自動運転車では、ドライバーの操作が減るため、システムによる制御がより重要になります。エクセディ株式会社は、これまで培ってきた精密制御技術を活かし、自動運転システムに最適な駆動系部品の開発を進めています。また、コネクテッド技術を活用することで、車両の状態をリアルタイムに把握し、故障予知や予防保全に役立てるなど、安全性や信頼性の向上にも貢献していく考えです。エクセディ株式会社は、これからも、世界中の人々に、安全・安心・快適なモビリティ社会を提供するために、たゆまぬ努力を続けていくことでしょう。