株式贈与取得価格と譲渡所得税計算実務

株式贈与取得価格とは何か

株式贈与取得価格は、株式を贈与された者がその株式を取得したときの価格をいいます。所得税法上、贈与された株式の取得価格として、贈与税の申告に際して考慮されます。

株式贈与取得価格の算定方法

株式贈与取得価格は、次の2つの方法で算定されます。

上場株式の贈与の場合：贈与時の時価

非上場株式の贈与の場合：評価時価

上場株式の贈与の場合

上場株式の贈与では、贈与時の株価が株式贈与取得価格となります。株価は、株式を贈与されたときの終値で評価します。

非上場株式の贈与の場合

非上場株式の贈与では、贈与時の評価時価が株式贈与取得価格となります。評価時価は、類似上場株式との比較、実物資産の評価、収益還元法などの方法を用いて算定します。

株式贈与取得価格の意義

株式贈与取得価格は、以下のような意義があります。

贈与された株式の譲渡益に対する課税における、比較基準となる原価

贈与税の計算における、贈与財産の価額算定の基礎

株式贈与取得価格の申告

贈与された株式については、贈与税の申告書に株式贈与取得価格を入力する必要があります。贈与された株式が上場株式の場合は時価、非上場株式の場合は評価時価で申告します。

株式贈与取得価格の特例

次の場合には、株式贈与取得価格に特例が適用されます。

相続税の申告を経た贈与を受けた場合

事業承継に伴う贈与を受けた場合

上記の特例が適用される贈与財産を、さらに第三者に贈与した場合

まとめ

株式贈与取得価格は、株式を贈与された者がその株式を取得したときの価格をいいます。所得税法上、贈与された株式の取得価格として、贈与税の申告に際して考慮されます。株式贈与取得価格は、贈与された株式の譲渡益に対する課税における比較基準や、贈与税の計算における贈与財産の価額算定の基礎となる重要な概念です。