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株式売渡請求承認後の少数株主権利行使

更新:2024-06-08 03:09:44読む:167

株式売渡請求承認制度の概要

株式売渡請求承認制度とは、会社法上の制度の一つであり、少数株主が、自己の保有する株式を、会社に対して、公正な価格で買い取るように請求できる権利のことです。この制度は、少数株主の保護を目的としており、会社が少数株主に対して不当な扱いをすることを防ぐ役割を担っています。

株式売渡請求承認制度を利用するためには、一定の要件を満たしている必要があります。例えば、会社法468条1項では、株主総会で特別決議により特定の事項を決議した場合には、当該決議に反対した株主は、会社に対して、その株主が所有する株式の全部または一部を買い取ることを請求することができるとされています。

具体的には、合併、会社分割、株式交換などの組織再編や、事業譲渡などの重要な決議が行われた場合に、反対する少数株主に対して、会社から離脱する権利を保障するものです。少数株主は、これらの決議によって自身の利益が害される可能性がある場合、株式売渡請求承認を請求することで、会社から対価を得て、会社から離脱することができます。

株式売渡請求承認の申立て

少数株主が株式売渡請求承認を請求するためには、会社に対して、請求書を提出する必要があります。請求書には、請求する株式の数、請求の理由などを記載する必要があります。会社は、請求書を受理した後、株主総会を開催し、請求の承認について決議する必要があります。

株主総会で請求が承認された場合には、会社は、請求をした株主に対して、株式を買い取る義務を負います。買い取り価格は、原則として、裁判所が選任する鑑定人が評価した価格となります。ただし、会社と請求をした株主との間で、買い取り価格について合意が成立した場合には、その合意に基づいて買い取り価格を決定することができます。

株式売渡請求承認制度のメリットとデメリット

株式売渡請求承認

株式売渡請求承認制度には、メリットとデメリットがあります。メリットとしては、少数株主が、会社に対して、自己の保有する株式を公正な価格で買い取るように請求できる点が挙げられます。

一方、デメリットとしては、請求の手続きが複雑である点、買い取り価格が裁判所が選任する鑑定人の評価額となるため、必ずしも少数株主にとって有利な価格になるとは限らない点などが挙げられます。

株式売渡請求承認制度は、少数株主の保護を目的とした制度ですが、メリットとデメリットがあることを理解した上で、利用するかどうかを判断する必要があります。

株式売渡請求承認制度の活用事例

株式売渡請求承認制度は、様々なケースで活用されています。例えば、会社の経営方針が大きく転換する場合や、会社が他の会社に吸収合併される場合などに、反対する少数株主が会社から離脱するために利用されることがあります。

また、会社が上場廃止になる場合にも、少数株主が市場で株式を売却することが困難になるため、株式売渡請求承認制度を利用して会社に株式を買い取ってもらうことがあります。

株式売渡請求承認制度は、少数株主にとって、不利な状況下においても、自己の権利を守ることができる重要な制度と言えるでしょう。

株式売渡請求承認制度の今後の展望

近年、コーポレートガバナンスの強化が求められる中で、少数株主の権利保護の重要性が高まっています。株式売渡請求承認制度は、少数株主の権利保護のための重要な制度の一つとして、今後もその役割が期待されています。

一方で、株式売渡請求承認制度は、手続きが複雑であるなどの課題も指摘されています。今後、少数株主にとってより利用しやすい制度となるよう、制度の改善が求められる可能性もあります。

株式売渡請求承認

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