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株式買取後払い制度における税務上の留意点

更新:2024-06-08 00:58:24読む:154

株式買取後払いとは

株式買取後払いとは、M&A取引において、買収対象会社の株式を一旦、買収側が指定する第三者(信託銀行や投資ファンドなど)に譲渡し、その後、一定期間経過後に買収側が当該第三者から株式を取得する取引形態を指します。従来の株式譲渡取引では、株式の譲渡と同時に代金決済が行われるのが一般的でしたが、近年、株式買取後払いを用いた取引が増加傾向にあります。

株式買取後払いのメリット

株式買取後払い

株式買取後払いには、売主・買主双方にとって、以下のようなメリットがあります。

売主側のメリット

株式譲渡益にかかる税金納付を、株式譲渡後一定期間猶予することができるため、資金繰りの面で有利になる場合があります。

買収後の事業計画の達成状況に応じて、株式譲渡価格が変動するスキームを組むことで、より高い譲渡価格を得られる可能性があります。

買収側のメリット

買収対象会社の業績や将来性を一定期間見極めた上で、最終的な株式取得を判断することができるため、買収リスクを抑制することができます。

買収資金を後払いにすることで、手元資金を他の投資案件に活用することが可能になります。

株式買取後払いのスキーム

株式買取後払いのスキームは、大きく分けて以下の2つに分類されます。

1. 信託型スキーム

株式買取後払い

買収側が信託銀行等に信託口を開設し、買収対象会社の株式を当該信託口に信託します。その後、一定期間経過後、買収側が信託銀行等に対して株式の取得を指示し、株式を取得します。この際、買収側は信託銀行等に対して、株式の取得資金を支払います。

2. ファンド型スキーム

買収側が設立した特別目的会社(SPC)が、投資ファンド等から資金調達を行い、買収対象会社の株式を取得します。その後、一定期間経過後、買収側がSPCから株式を取得します。この際、買収側はSPCに対して、株式の取得資金を支払います。

株式買取後払いの注意点

株式買取後払いは、売主・買主双方にとってメリットの大きい取引形態ですが、一方で、以下のような注意点も存在します。

売主は、株式譲渡後も一定期間、株式を保有している状態となるため、その間の株価変動リスクを負うことになります。

買主は、株式取得までの期間、買収対象会社の経営に直接関与することができないため、その間の事業運営に不安が残ります。

複雑なスキームとなることが多く、専門家によるアドバイスやサポートが不可欠となります。

まとめ

株式買取後払いは、従来の株式譲渡取引とは異なる点が多く、複雑なスキームとなる場合もあります。そのため、取引を行う際には、事前に専門家へ相談し、綿密な計画を立てることが重要となります。

株式買取後払い

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