HIS株価急落旅行需要低迷業績悪化懸念浮上

HIS、旅行需要減退でhis株価急落、先行き不透明感増す

旅行大手エイチ・アイ・エス（HIS）の株価が急落している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で旅行需要が低迷していることが響き、2023年10月期決算では最終赤字に転落する見通しだ。業績悪化懸念から投資家の間でhis株価急落し、今後の業績回復にも不透明感が強まっている。

コロナ禍で打撃、旅行需要の回復遅れ響く

HISは、格安航空券の販売や海外旅行ツアーの企画・販売などを手がける旅行大手だ。しかし、2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、主力事業である海外旅行需要は急減。緊急事態宣言の発出や渡航制限の影響で、HISの業績は大きな打撃を受けた。

その後、ワクチン接種が進み、各国で渡航制限が緩和されると、旅行需要は徐々に回復傾向を見せている。しかし、円安や燃油サーチャージの高騰、物価高などにより、旅行費用は上昇傾向にあり、旅行者の財布の紐は固い。HISの業績回復は遅れており、2023年10月期決算は、2期連続の最終赤字となる見通しだ。

構造改革の遅れもhis株価急落の要因か

HISは、コロナ禍で急速に進む旅行需要の変化に対応するため、オンライン旅行予約サイトの強化や、個人旅行向けの商品の拡充など、構造改革を進めてきた。しかし、その取り組みは十分な成果を上げているとは言えず、構造改革の遅れもhis株価急落の一因とみられている。

競争激化、HISの巻き返しは

旅行業界では、HIS以外にも、JTBや楽天トラベルなど、多くの企業が事業を展開しており、競争は激化している。コロナ禍で変化した旅行需要をいち早く捉え、魅力的な商品やサービスを提供できるかが、今後のHISの成長には不可欠となる。

HISは、これまで培ってきた旅行事業のノウハウや顧客基盤を活用し、新たな旅行需要の創出にも積極的に取り組むとしている。例えば、ワーケーションやブリージャー旅行など、新たな旅行スタイルに合わせた商品の開発や、地域と連携した観光コンテンツの開発などにも注力する方針だ。これらの取り組みが成功するかどうかが、HISの巻き返しの鍵を握っていると言えるだろう。