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与信株式譲渡制限付株式発行による資金調達事例

更新:2024-06-08 05:42:47読む:106

与信株式譲渡制限とは

与信株式譲渡制限

与信株式譲渡制限とは、金融機関からの融資を受ける際に、経営の安定化を図る目的で、会社の株式について一定の制限を設けることを指します。具体的には、株式を譲渡する場合に、金融機関の同意を得ることを義務付ける条項を定款や株主間契約に盛り込みます。

導入の背景と目的

スタートアップ企業や中小企業にとって、資金調達は常に重要な課題です。特に、事業の立ち上げ初期や成長段階においては、十分な担保や実績がないため、金融機関からの融資を受けることが難しい場合があります。このような状況下で、金融機関は、融資のリスクを軽減するために、企業の経営に一定の関与を求めることがあります。その手段の一つとして用いられるのが、与信株式譲渡制限です。

金融機関は、与信株式譲渡制限を設けることで、融資先の経営が不安定になった場合でも、株式の譲渡を制限することで、経営への影響力を維持することができます。また、株式の譲渡によって、経営者が交代したり、事業内容が大きく変更されたりするリスクを抑制することができます。

与信株式譲渡制限の内容

与信株式譲渡制限の内容は、企業と金融機関との間で個別に協議の上で決定されますが、一般的には以下のような制限が設けられます。

1. 事前同意

株式を譲渡する場合には、事前に金融機関の同意を得ることを義務付けられます。金融機関は、譲渡先となる企業や個人の信用状況などを審査し、融資の継続に問題がないかどうかを判断します。

2. 譲渡先の制限

株式の譲渡先を特定の企業や個人に限定する場合があります。例えば、競合他社への株式譲渡を禁止したり、特定の業種への進出を制限したりすることがあります。

3. 譲渡価格の制限

株式の譲渡価格に一定の制限を設ける場合があります。例えば、時価よりも低い価格での譲渡を禁止したり、一定期間内は譲渡価格を固定したりすることがあります。

メリットとデメリット

メリット

企業にとって、与信株式譲渡制限を導入するメリットは、金融機関からの融資を受けやすくなることです。特に、創業間もない企業や中小企業にとっては、資金調達の幅が広がるという大きなメリットがあります。

デメリット

一方、デメリットとしては、株式の流動性が制限されることが挙げられます。株式の譲渡が制限されることで、株式市場での資金調達が難しくなったり、M&Aなどの事業戦略が制限されたりする可能性があります。

導入時の注意点

与信株式譲渡制限を導入する際には、以下の点に注意する必要があります。

1. 制限内容の精査

金融機関から提示された制限内容をよく精査し、自社の事業戦略に与える影響を十分に検討する必要があります。必要に応じて、弁護士や税理士などの専門家に相談することも重要です。

2. 将来的な見直し

企業の成長段階や経営状況に応じて、与信株式譲渡制限の内容を見直す必要が生じる場合があります。金融機関との間で、定期的な見直しに関する協議の機会を設けておくことが重要です。

与信株式譲渡制限は、企業にとって資金調達の選択肢を広げる一方で、株式の流動性を制限するという側面も持ち合わせています。導入を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、自社の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。

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