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商法における額面株式の発行と消却に関する一考察

更新:2024-06-08 05:12:26読む:61

商法額面株式制度の概要

日本の会社法において、株式は原則として「発行価額」を定める必要があり、この発行価額によって株主の権利義務関係が決定されます。しかし、かつては「商法額面株式」という制度が存在し、これは株式に「額面」を定めることで、その額面をもって発行価額とするものでした。

商法額面株式の特徴

商法額面株式

商法額面株式は、以下のような特徴を持っていました。

額面金額が株式の最小単位となり、額面金額未満の株式を発行することはできませんでした。

株主は、額面金額を限度として、会社に対して出資義務を負っていました。

会社は、原則として額面金額以上の価格で株式を発行する必要がありました(ただし、一定の要件を満たす場合には、割引発行も認められていました)。

商法額面株式制度の廃止

商法額面株式制度は、2001年の商法改正により廃止されました。これは、以下のような理由によるものです。

国際的な会計基準との整合性を図るため。国際的には、株式の発行価額は市場価格を反映したものであるべきとされており、額面金額を基準とする商法額面株式制度は、国際的な潮流に合致しなくなっていました。

商法額面株式

資金調達の柔軟性を高めるため。商法額面株式制度の下では、会社は額面金額以上の価格で株式を発行する必要があり、資金調達の際に制約が生じていました。発行価額を自由に設定できるようにすることで、企業の資金調達をより円滑にすることが目的でした。

株主の権利義務関係を明確にするため。商法額面株式制度の下では、額面金額と発行価額が異なる場合があり、株主の権利義務関係が複雑化していました。発行価額を基準とすることで、株主の権利義務関係をより明確にすることが目的でした。

現行制度における株式

現在では、株式は原則として「発行価額」を定めることとされており、この発行価額によって株主の権利義務関係が決定されます。発行価額は、会社が自由に設定することができますが、市場価格を反映したものである必要があります。

商法額面株式

商法額面株式制度廃止の影響

商法額面株式制度の廃止により、企業の資金調達の柔軟性が高まり、国際的な会計基準との整合性も図られました。また、株主の権利義務関係も明確化されました。

一方で、商法額面株式制度の廃止により、株式の発行価額が市場価格に連動するようになり、株式市場の動向に企業価値が左右されやすくなったという側面もあります。

まとめ

かつて存在した商法額面株式制度は、2001年の商法改正により廃止され、現在では発行価額を定めることが原則となっています。この制度変更により、資金調達の柔軟性向上や国際的な会計基準との整合性といったメリットが生まれましたが、一方で株式市場の動向に企業価値が影響を受けやすくなるという側面も持ち合わせています。

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