換価分割株式遺産分割協議書

換価分割株式の遺産分割協議書について

遺産分割協議において、遺産に株式が含まれている場合、その分割方法については慎重に検討する必要があります。特に、株式が非公開会社のものである場合、相続人全員がその会社の経営に携わる意思がない、あるいは株式を保有していても経営への関与が難しいなどの事情があれば、単純に株式を分割相続することが適切でないケースも少なくありません。このような場合に検討される方法の一つが、「換価分割」です。換価分割とは、遺産である株式を売却し、その売却代金を相続人で分割する方法を指します。そして、この換価分割を行う際に必要となるのが、「換価分割株式遺産分割協議書」です。

換価分割株式遺産分割協議書とは

換価分割株式遺産分割協議書とは、遺産分割協議において、相続に属する株式を換価分割する方法、つまり株式を売却してその代金を分割する方法について、相続人全員の合意内容を明確にするための書面です。この協議書には、一般的に以下の内容が記載されます。

被相続人の氏名、住所

相続人の氏名、住所、相続分

換価分割の対象となる株式の種類、数

株式の評価方法、評価額

株式の売却方法（競売、相対取引など）

売却先の選定方法

売却代金の分配方法

協議が成立した日付

相続人全員の署名、押印

換価分割株式遺産分割協議書を作成するメリット

換価分割株式遺産分割協議書を作成するメリットは、主に以下の点が挙げられます。

1. 後々のトラブル防止

遺産分割協議の内容を書面化しておくことで、後から相続人間の認識の違いや、感情的な対立が生じることを防ぐことができます。特に、換価分割は株式の評価額や売却方法によって、相続人それぞれが受け取る金額に差が生じる可能性があるため、事前に協議内容を明確にしておくことが重要です。

2. 円滑な手続き

株式の売却手続きは、証券会社や金融機関など、専門的な知識を必要とする場面も少なくありません。換価分割株式遺産分割協議書を作成しておくことで、相続人全員が合意した内容に基づいて手続きを進めることができるため、スムーズな売却、そして遺産分割を実現することができます。

換価分割株式遺産分割協議書作成の注意点

換価分割株式遺産分割協議書を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。

1. 専門家のサポート

換価分割株式遺産分割協議書の作成は、法律や税務に関する専門知識が必要となる場面も少なくありません。相続人だけで作成するのではなく、弁護士や税理士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、法的効力の高い協議書を作成できるだけでなく、税金対策などの観点からも、より有利な条件で遺産分割を進めることができます。

2. 相続人全員の合意

換価分割株式遺産分割協議書は、相続人全員の合意に基づいて作成する必要があります。一部の相続人のみが有利になるような内容や、合意が得られていない内容で作成された場合、後々トラブルに発展する可能性があります。相続人全員でしっかりと話し合い、納得のいく内容で作成することが重要です。

遺産分割協議は、相続人間で感情的な対立が生じやすいものです。特に、株式のように評価や換価が難しい財産を分割する場合には、専門家のサポートを受けながら、慎重に進めていくことが重要です。