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株式一定額における資本金制度の現代的意義

更新:2024-06-08 03:46:40読む:58

株式一定額とは

株式一定額とは、株式会社が発行する株式の1単位あたりの金額のことです。会社法では「額面株式」と表記され、1株あたりの価値を表す指標となります。この株式一定額は、会社の設立時に定款で定められます。

株式一定額の役割

株式一定額

株式一定額は、以下のような役割を担っています。

1. 資本金の算定基準

会社の資本金は、「発行済株式の総数 × 株式一定額」で計算されます。例えば、1株50円の株式一定額で10,000株を発行している場合、資本金は50万円となります。

2. 株主の責任の範囲

株式会社は、株主が出資した金額を限度として責任を負う「有限責任」の原則を採用しています。株式一定額は、株主が会社に対してどこまで責任を負うかを明確にする役割も担っています。

3. 株式の発行価格の基準

会社が新たに株式を発行する場合、発行価格は株式一定額を下回ることはできません。これは、既存の株主の利益を守るためです。

株式一定額の変更

株式一定額は、会社の状況に応じて変更することができます。ただし、変更には株主総会の特別決議が必要です。

株式一定額の変更理由

株式一定額を変更する理由としては、以下のようなものがあります。

1. 資金調達

株式一定額を下げることで、1株あたりの価格が下がり、より多くの投資家から資金を調達しやすくなります。

2. 株式の流動性の向上

株式一定額を下げることで、1株あたりの価格が下がり、株式が購入しやすくなるため、株式市場での取引が活発化し、流動性が向上する可能性があります。

株式一定額

3. 企業イメージの改善

株式一定額が高いままだと、1株あたりの価格が高くなり、投資家にとって購入しづらい状況が続きます。株式分割などを行い、株式一定額を下げることで、投資家にとって投資しやすい環境を整え、企業イメージの改善を図ることができます。

株式一定額の撤廃

2001年の商法改正により、株式会社は株式一定額を設けない「無額面株式」を発行できるようになりました。無額面株式では、資本金は「発行済株式総数 × 1株あたりの発行価額」で計算されます。

無額面株式のメリット

無額面株式には、以下のようなメリットがあります。

1. 資金調達の柔軟性向上

1株あたりの発行価額を自由に設定できるため、資金調達のニーズに合わせて柔軟に対応することができます。

株式一定額

2. 資本管理の簡素化

株式一定額の変更手続きが不要になるため、資本管理が簡素化されます。

無額面株式のデメリット

一方で、無額面株式には、以下のようなデメリットも挙げられます。

1. 株主の混乱

従来の株式一定額という概念がなくなるため、株主にとって分かりにくいという側面があります。

2. 不適切な発行価額設定のリスク

発行価額を自由に設定できる反面、市場環境を無視した不適切な発行価額設定が行われるリスクも存在します。

まとめ

株式一定額は、会社の資本金や株主の責任、株式の発行価格などに影響を与える重要な要素です。無額面株式の導入により、資金調達の柔軟性が高まりましたが、一方で株主にとって分かりにくいという側面も存在します。そのため、会社は、自社の状況に合わせて、株式一定額の有無やその金額を適切に判断する必要があります。

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