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海外赴任に伴う株式譲渡における税務上の留意点

更新:2024-06-15 04:14:21読む:135

海外赴任に伴う株式の譲渡

海外赴任が決まり、新たな挑戦と期待に胸を膨らませる一方で、所有する株式の取り扱いに頭を悩ませる方も少なくないでしょう。税金や手続きなど、考慮すべき点がいくつかあります。特に、海外赴任株式個人譲渡は、一般的な株式売却とは異なる点も多いため注意が必要です。

海外赴任株式個人譲渡の定義

海外赴任株式個人譲渡とは、文字通り、海外赴任に伴い個人で保有する株式を譲渡することを指します。この際、譲渡の対象となる株式は、上場株式・非上場株式を問いません。また、譲渡先も特に制限はなく、親族や友人、あるいは証券会社への売却など、様々なケースが考えられます。

海外赴任株式個人譲渡における税金

海外赴任株式個人譲渡を行う上で、最も気になるのはやはり税金でしょう。株式の譲渡益は原則として「譲渡所得」に分類され、所得税の対象となります。ただし、海外赴任という特殊な状況下では、以下の2つの制度の適用を受ける可能性があります。

1. 租税条約による非課税

日本は多くの国と租税条約を締結しており、その中には、居住者が海外赴任中に取得した所得に対する課税権を赴任先の国にのみ認める条項が含まれている場合があります。つまり、赴任先の国で適切に納税していれば、日本においては課税されない可能性があるということです。ただし、適用を受けるためには、滞在期間などの要件を満たしている必要があるため、事前に確認が必要です。海外赴任株式個人譲渡を行う場合は、赴任先の国との租税条約の内容を事前に確認し、日本での課税の有無をしっかりと把握しておくようにしましょう。

2. 出国税の特例

海外赴任株式個人譲渡

平成29年度の税制改正により、「出国税」と呼ばれる制度が創設されました。これは、高額な含み益のある株式等を保有したまま海外に移住する場合、その含み益に対して課税を行うというものです。しかし、一定の要件を満たす海外赴任者は、この出国税の特例を受けることができます。具体的には、5年以上継続して日本国内に住所を有していたこと、赴任期間が10年以内であること、などが条件となります。この特例により、出国時に課税されることなく、赴任期間中の値上がり益についても赴任先の国の税制で課税されることになります。海外赴任株式個人譲渡においても、この出国税の特例が適用される可能性があります。特例を受けるためには、一定の要件を満たしている必要がありますので、事前に確認が必要です。

海外赴任株式個人譲渡における注意点

海外赴任株式個人譲渡を行う際には、税金の他にもいくつか注意すべき点があります。

1. 譲渡時期の検討

株式の譲渡益は、譲渡時期の株価によって大きく変動します。そのため、少しでも有利な時期に譲渡できるように、市場の動向や自身の赴任プランなどを考慮する必要があります。特に、出国税の特例を受ける場合には、出国前に譲渡してしまうと特例の対象外となってしまうため、注意が必要です。

2. 手続きの煩雑さ

海外赴任中は、日本国内での手続きが困難になる場合も少なくありません。株式の譲渡には、証券会社への連絡や書類の提出など、様々な手続きが必要となります。赴任前に余裕を持って手続きを進めるか、あるいは家族や税理士などに代理で対応してもらうなどの対策を検討する必要があるでしょう。

専門家への相談

海外赴任株式個人譲渡は、税制や手続きなど、複雑な要素が多く、個人で全てを完璧に行うことは困難です。税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、最適な方法を検討することができます。彼らは、最新の税制改正や個々の状況に応じたアドバイスを提供してくれるため、安心して手続きを進めることができます。

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