ホームページ > 金融市場

株式つなぎ売り

更新:2024-06-08 04:14:00読む:160

株式つなぎとは

株式つなぎとは、企業買収の手法の一つで、買収対象企業の株主に対して、買収企業の株式を対価として交付することで、買収対象企業の株式を取得する方法です。株式交換や株式移転と並ぶ、株式による企業結合の代表的な手法として知られています。

株式つなぎのメリット

株式つなぎには、現金による買収と比較して、以下のようなメリットがあります。

1. 資金負担の軽減

現金買収の場合、買収企業は多額の資金を用意する必要がありますが、株式つなぎであれば、自社の株式を対価とするため、資金負担を軽減することができます。これは、特に買収対象企業の規模が大きい場合に大きなメリットとなります。

株式つなぎ

2. 買収後の経営統合の円滑化

株式つなぎの場合、買収対象企業の株主は、買収後も統合後の企業の株主として残り続けることになります。そのため、現金買収と比較して、買収後の経営統合を円滑に進めやすいというメリットがあります。

3. 税務上のメリット

株式つなぎ

株式つなぎ

株式つなぎの場合、一定の要件を満たせば、税務上、買収対象企業の株主に対して譲渡益課税が繰り延べられるというメリットがあります。

株式つなぎのデメリット

一方、株式つなぎには、以下のようなデメリットもあります。

1. 株式の希薄化

株式つなぎを行うと、買収企業は新たに株式を発行するため、既存の株主の株式価値が希薄化する可能性があります。

2. 交渉の複雑化

株式つなぎの場合、買収価格を決定するために、買収企業と買収対象企業の双方の企業価値を評価する必要があり、交渉が複雑化する傾向があります。

3. 支配権の維持

買収対象企業の株主が、統合後の企業の株式を一定割合以上保有することになるため、買収企業は支配権の維持に注意する必要があります。

株式つなぎの事例

近年、日本国内外で多くの株式つなぎによる企業買収が行われています。例えば、2020年には、日本の大手製薬会社A社が、海外の新薬開発ベンチャー企業B社を株式つなぎで買収しました。この買収により、A社はB社の持つ革新的な新薬開発技術を獲得し、グローバル市場での競争力を強化することを目指しました。

株式つなぎの今後の展望

企業のグローバル化や事業再編の進展に伴い、今後も株式つなぎによる企業買収は増加していくと予想されます。特に、スタートアップ企業やベンチャー企業の買収においては、資金調達の手段としても株式つなぎが注目されています。

株式つなぎは、企業買収における有効な手段の一つですが、メリット・デメリットを十分に理解した上で、慎重に検討する必要があります。

Tagsカテゴリ