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株式信託贈与による相続税対策と資産承継プランニング

更新:2024-06-08 03:32:02読む:121

株式信託贈与とは

近年、資産承継対策の一つとして注目を集めているのが株式信託贈与です。これは、株式を信託銀行などに信託し、その受益権を贈与する方法です。従来の株式贈与に比べて、柔軟性や納税負担の軽減などのメリットがあることから、多くの経営者から関心を集めています。

株式信託贈与の仕組み

株式信託贈与の仕組みは、大きく分けて以下の3つのステップで行われます。

1. 信託設定

まず、委託者である株式の所有者が、信託銀行などの受託者との間で信託契約を締結します。この契約の中で、信託する株式、信託の目的、受益者、信託期間などを定めます。

2. 株式の移転

信託契約に基づき、委託者は所有する株式を受託者に移転します。これにより、株式の名義は受託者に移ることになります。

3. 受益権の贈与

株式信託贈与

受託者は、信託契約に基づき、株式から生じる配当金や議決権などの権利を受益者に帰属させます。委託者は、この受益権を子や孫などの贈与者に贈与します。

株式信託贈与のメリット

株式信託贈与には、以下のようなメリットがあります。

1. 納税負担の軽減

株式信託贈与では、株式そのものを贈与するのではなく、受益権を贈与するため、贈与税の評価額が低くなる傾向があります。これは、受益権が株式そのものよりも流動性が低く、また、信託期間中の収益が確定していないためです。

2. 事業承継の円滑化

株式信託贈与では、信託契約の中で、議決権の行使方法や受益者の変更などを自由に定めることができます。そのため、後継者に株式を段階的に承継したり、経営権と所有権を分離したりするなど、柔軟な事業承継計画を立てることが可能です。

3. 資産の保全

株式を信託することで、財産の散逸を防ぎ、安全に管理することができます。また、信託契約の中で、受益者の変更や信託財産の運用方法などを定めることで、将来の不測の事態にも対応することができます。

株式信託贈与の注意点

株式信託贈与を行う際には、以下のような点に注意する必要があります。

株式信託贈与

1. 信託契約の内容

信託契約は、委託者、受託者、受益者の権利義務を定める重要な契約です。そのため、信託契約の内容をよく検討し、専門家のアドバイスを受けるなどして、適切な内容で契約を締結する必要があります。

2. 受託者の選定

受託者は、信託財産を管理し、信託契約に基づき業務を遂行する重要な役割を担います。そのため、信頼できる信託銀行や信託会社などを選定する必要があります。

3. 税務上の取扱い

株式信託贈与は、信託契約の内容や受益者の状況などによって、税務上の取扱いが異なる場合があります。そのため、事前に税理士などの専門家に相談し、適切な対策を講じておく必要があります。

まとめ

株式信託贈与は、納税負担の軽減、事業承継の円滑化、資産の保全など、多くのメリットがある有効な資産承継対策です。ただし、信託契約の内容や受託者の選定、税務上の取扱いなど、注意すべき点も多いため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。

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