株式寄付とは

株式寄付とは

株式寄付とは、個人または法人が保有する株式を、NPO法人や公益財団法人などの非営利団体に無償で譲渡することを指します。近年、社会貢献活動への関心の高まりとともに、新たな寄付の形として注目を集めています。

株式寄付のメリット

株式寄付には、寄付者、受贈者双方にとって様々なメリットがあります。

寄付者側のメリット

寄付者側のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

税制優遇措置：株式寄付は、所得税や法人税の控除対象となる場合があります。具体的には、寄付した株式の取得価額または時価のいずれか低い金額が、寄付金控除の対象となります。

相続税対策：株式を保有したまま相続が発生すると、相続税の納税義務が発生します。株式寄付を行うことで、相続財産を減らし、相続税対策に繋げることができます。

社会貢献活動への参加：株式寄付を通じて、自身の思い描く社会貢献活動に間接的に参加することができます。寄付先団体が自身の価値観と合致する場合、大きな満足感を得られるでしょう。

受贈者側のメリット

受贈者側のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

安定的な財源確保：株式寄付によって得られた資金は、団体の活動資金として活用することができます。特に、株式からの配当金は、継続的な収入源として期待できます。

組織基盤の強化：株式寄付は、団体に対する社会的信頼の向上に繋がり、新たな支援者や協力者の獲得に繋がる可能性があります。また、資金調達の多様化は、組織基盤の強化にも貢献します。

社会的インパクトの拡大：寄付金は、団体の活動内容や規模を拡大するために活用することができます。より多くの人々や地域社会に対して、より大きな社会的インパクトを与えることが可能となります。

株式寄付の手続き

株式寄付の手続きは、以下のようになります。

寄付先団体の選定：寄付を希望する団体を、自身の価値観や寄付金の使途などを考慮して選定します。

寄付の申し入れ：選定した団体に、株式寄付の申し入れを行います。この際、寄付する株式の種類や数量、寄付の目的などを伝えます。

契約の締結：団体との間で、寄付に関する契約を締結します。契約内容には、寄付する株式の内容、寄付の目的、寄付金の使途などが記載されます。

株式の譲渡：証券会社を通じて、寄付する株式を団体名義に移管します。

寄付金控除の手続き：確定申告の際に、寄付金控除の手続きを行います。必要な書類を税務署に提出することで、所得税や法人税の還付を受けることができます。

株式寄付の注意点

株式寄付を行う際には、以下の点に注意が必要です。

寄付先団体の選定：寄付金が適切に使用されるよう、寄付先団体の活動内容や財務状況などを事前に十分に確認することが重要です。信頼できる情報源を活用し、団体の透明性や信頼性を評価しましょう。

株式の評価額：寄付する株式の評価額は、寄付時の時価によって決まります。時価は変動するため、寄付前に証券会社などに確認しておきましょう。

税務上の扱い：株式寄付の税務上の扱いは、寄付者や受贈者の属性、寄付する株式の種類などによって異なります。事前に税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

株式寄付の事例

近年、株式寄付とは、多様な分野で活用されるようになってきました。例えば、医療分野では、難病の治療法開発に取り組む団体や、医療従事者を育成する団体への株式寄付が行われています。また、教育分野では、経済的に困窮する学生への奨学金支給や、教育機関への設備投資を目的とした株式寄付が増加しています。さらに、環境問題に取り組む団体や、地域社会の活性化を図る団体など、様々な分野で株式寄付が活用されています。

まとめ

株式寄付とは、社会貢献活動への新たな参加の形として、近年注目を集めています。寄付者にとっては、税制優遇措置や相続税対策などのメリットがあり、受贈者にとっては、安定的な財源確保や組織基盤の強化に繋がるなど、双方にとってメリットのある制度です。株式寄付を検討する際には、寄付先団体の選定や税務上の扱いなど、注意すべき点を押さえておくことが重要です。