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株式現物出資仕訳

更新:2024-06-08 01:29:31読む:96

株式現物出資における会計処理と株式現物出資仕訳

企業が新たな資本を獲得する方法として、金銭ではなく、土地や建物、株式などの財産を会社に提供する現物出資があります。特に、株式を現物出資する場合には、その評価方法や会計処理が複雑になるため、注意が必要です。今回は、株式現物出資における会計処理と株式現物出資仕訳について詳しく解説していきます。

株式現物出資とは

株式現物出資とは、会社設立時や増資時に、株主となる者が金銭ではなく、保有する株式を会社に提供することで、その対価として新たに発行される株式を取得する行為を指します。この際、提供される株式は、上場株式や非上場株式など、種類を問いません。

株式現物出資のメリット

株式現物出資には、以下のようなメリットがあります。

1. キャッシュアウトを回避できる

株式現物出資は、金銭ではなく株式で出資を行うため、多額の資金を用意する必要がありません。そのため、手元資金が不足している場合でも、新たな事業への投資や企業買収などを実現することができます。

2. 税務上のメリット

株式現物出資の場合、出資した株式の評価益に対して、譲渡所得ではなく、みなし配当として課税されることがあります。みなし配当として課税された場合、一定の要件を満たせば、配当控除の適用を受けることができ、税負担を軽減できる可能性があります。

株式現物出資の評価

株式現物出資を行う際には、提供する株式の適正な評価額を決定する必要があります。評価額は、会社法に基づき、原則として、裁判所の選任する検査役の調査によって決定されます。ただし、一定の場合には、検査役の調査を省略し、株主総会の承認を得ることで、評価額を決定することも可能です。

株式の評価方法は、上場株式と非上場株式で異なります。

1. 上場株式の評価

株式現物出資

上場株式の場合、原則として、出資の日における取引所の最終価格を基準として評価します。

2. 非上場株式の評価

非上場株式の場合、企業の収益性、資産状況、将来性などを総合的に勘案して評価します。具体的な評価方法としては、DCF法、類似会社比較法、純資産法などが用いられます。

株式現物出資の会計処理と株式現物出資仕訳

株式現物出資が行われた場合の会計処理は、現物出資を行う側(出資者)と現物出資を受ける側(被出資会社)で異なります。

1. 出資者の会計処理

出資者は、現物出資によって取得した株式を、取得原価で計上します。取得原価は、現物出資した株式の帳簿価額と取得にかかった費用(登録免許税など)の合計額となります。

例えば、A社がB社の株式1,000株(帳簿価額1株あたり100円)を現物出資し、C社の株式を取得した場合、A社の株式現物出資仕訳は以下のようになります。

(借方) 現物出資 100,000円

(貸方) 株式(B社) 100,000円

2. 被出資会社の会計処理

被出資会社は、現物出資によって取得した資産を、公正価値で計上します。公正価値とは、市場参加者間で取引が行われる場合に想定される取引価格をいいます。また、受入資本金は、現物出資された株式の評価額で計上します。

例えば、C社がA社からB社の株式1,000株(評価額1株あたり150円)を現物出資として受け入れた場合、C社の株式現物出資仕訳は以下のようになります。

(借方) 株式(B社) 150,000円

(貸方) 資本金 150,000円

まとめ

株式現物出資は、資金調達やM&Aなど、様々な場面で活用される取引です。株式現物出資を行う際には、関連する法令や会計基準を理解し、適切な処理を行うことが重要となります。本稿が、株式現物出資を検討する企業の一助となれば幸いです。

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