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額面株式制度における資本金減少の手続きと注意点

更新:2024-06-15 03:12:35読む:152

額面株式制度とは?

額面株式制度とは、株式に一定の金額(額面)を設定し、その額面を元に株式の発行や取引を行う制度です。かつては日本においても一般的な制度でしたが、2001年の商法改正により廃止され、現在は原則としてすべての株式会社が「無額面株式」を発行することになっています。

額面株式制度の特徴

額面株式制度とは、以下のような特徴を持つ制度でした。

1. 額面金額が株主の責任限度

額面株式の場合、株主は保有する株式の額面総額を限度として、会社に対して責任を負います。例えば、1株100円の額面株式を1,000株保有している場合、株主の責任限度は10万円となります。

2. 額面金額を下回る発行は原則不可

会社法上、額面株式は原則として額面金額を下回る価格で発行することはできませんでした。例えば、1株100円の額面株式を発行する場合、少なくとも1株あたり100円以上の価格で発行する必要がありました。

3. 資本金の算定が容易

額面株式制度

額面株式は、発行済株式総数に額面金額を掛けることで、簡単に資本金を算出することができます。例えば、1株100円の額面株式を10,000株発行している場合、資本金は100万円となります。

額面株式制度の廃止理由

額面株式制度とは、かつては広く採用されていましたが、以下のような問題点も指摘されていました。

1. 資金調達の柔軟性を欠く

額面金額を下回る価格で株式を発行できないため、企業の資金調達の柔軟性を阻害する可能性がありました。特に、ベンチャー企業など、設立当初は資金調達が難しい企業にとっては大きな課題でした。

2. 形式的な資本制度

額面金額と実際の株価が乖離しやすく、形式的な資本制度になりがちでした。また、株式分割や株式併合などの手続きも複雑でした。

無額面株式制度への移行

これらの問題点を解決するために、2001年の商法改正により、日本においても額面株式制度とは廃止され、無額面株式制度が導入されました。無額面株式制度では、株式に額面金額を設定せず、発行価格を自由に設定することができます。これにより、企業は資金調達の柔軟性を高め、より機動的な経営を行うことができるようになりました。

まとめ

額面株式制度とは、かつては一般的な制度でしたが、資金調達の柔軟性や資本制度の簡素化などの観点から、現在では廃止されています。無額面株式制度への移行により、企業はより柔軟で機動的な経営が可能になりました。

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