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株式一般承継と会社法上の課題

更新:2024-06-08 03:45:26読む:135

株式一般承継とは

株式一般承継とは、被相続人が保有していた株式が、相続によってそのまま相続人に承継されることを指します。これは、民法上の「包括承継」の原則に基づくもので、相続開始と同時に、被相続人の一切の権利義務が相続人に移転します。株式もこの権利義務に含まれるため、特別な手続きなしに相続人に承継されることになります。

株式一般承継の特徴

株式一般承継には、以下のような特徴があります。

株式一般承継

1. 包括承継

前述の通り、株式一般承継は包括承継の原則に基づいています。つまり、被相続人が保有していた株式だけでなく、預貯金や不動産などの他の財産も、まとめて相続人に承継されます。そのため、個別に株式の承継手続きを行う必要はありません。

2. 相続人の共同所有

相続人が複数いる場合、原則として被相続人の株式は、相続分に応じて共同で所有することになります。例えば、相続人が2人で、法定相続分がそれぞれ2分の1ずつの場合、株式も2分の1ずつを共同で所有することになります。

3. 会社法上の手続き

株式一般承継自体は、民法上の相続の原則に基づいて行われますが、会社法上も、相続による株主名簿の名義書換などの手続きが必要となります。これらの手続きは、相続人から会社に対して、相続を証明する書類などを提出することによって行われます。

株式一般承継と株式特定承継

株式の承継には、株式一般承継の他に、「株式特定承継」という方法もあります。これは、被相続人の遺言によって、特定の相続人や第三者に、特定の株式を承継させる方法です。株式特定承継を行う場合は、遺言書を作成する必要があります。

株式特定承継のメリット

株式特定承継には、以下のようなメリットがあります。

1. 特定の相続人に事業を承継させることができる

株式特定承継を利用することで、特定の相続人に、事業を承継させることができます。例えば、兄弟がいる場合でも、事業を承継する意思のある相続人に、株式を集中して承継させることができます。

2. 紛争を防止できる

株式特定承継によって、相続人同士の紛争を防止することができます。特に、相続人が複数いる場合や、事業承継が絡む場合などは、株式の承継をめぐってトラブルが発生する可能性があります。株式特定承継によって、あらかじめ承継先を明確にしておくことで、このようなトラブルを避けることができます。

株式一般承継の注意点

株式一般承継を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

1. 会社の承継問題

株式を相続したとしても、自動的に会社の経営権を取得できるわけではありません。会社の経営権を取得するためには、株主総会で取締役に選任される必要があります。また、会社の経営には、専門的な知識や経験が必要となる場合もあります。そのため、株式を相続する際には、会社の承継問題についても、事前に検討しておく必要があります。

2. 相続税の納税

株式は、相続税の課税対象となります。相続税の評価額は、原則として、相続開始日における取引価格に基づいて算定されます。そのため、株式の評価額が高額になる場合もあり、多額の相続税が発生する可能性があります。相続税の納税資金を確保しておくことも重要です。

3. 専門家への相談

株式一般承継は、複雑な手続きや税務上の問題を伴う場合があります。そのため、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、適切な手続きや税務対策を行うことができます。

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