株式価格非上場

株式価格非上場の企業価値評価

株式価格非上場の企業にとって、その価値を適切に評価することは、M&A、事業承継、資金調達など、様々な経営判断において非常に重要となります。上場企業のように市場で日々株価が形成されるわけではないため、独自の評価手法を用いて企業価値を算定する必要があります。本稿では、株式価格非上場の企業価値評価について、その手法や留意点などを詳しく解説していきます。

主な企業価値評価手法

株式価格非上場の企業価値評価には、いくつかの代表的な手法が存在します。それぞれの概要とメリット・デメリットを踏まえ、適切な手法を選択することが重要です。

① イナーバリュー法

将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて算出する手法です。将来の収益力を重視するため、成長性の高い企業の評価に適しています。一方で、将来予測の精度に左右されるため、安定した収益が見込めない企業には不向きです。

② 類似会社比較法

同業他社や類似するビジネスモデルを持つ上場企業の株価を参考に、評価対象企業の価値を算出する手法です。市場の評価を反映できるため、客観的な評価が期待できます。ただし、完全に一致する類似企業を見つけることは難しく、業種や規模によっては適用が難しい場合があります。

③ 純資産法

企業の貸借対照表に基づき、資産から負債を差し引いた純資産を基に価値を算出する手法です。比較的簡便な方法ですが、将来の収益力やブランド価値などが考慮されないため、評価額が実態と乖離する可能性があります。

企業価値評価における留意点

株式価格非上場の企業価値評価を行う際には、以下の点に留意する必要があります。

① 評価目的の明確化

M&A、事業承継、資金調達など、評価の目的によって適切な評価手法や割引率が異なります。目的に応じた評価を行うことが重要です。

② 将来予測の妥当性

将来のキャッシュフローや割引率は、マクロ経済の動向や業界の競争環境などを考慮し、慎重に設定する必要があります。楽観的な予測は過大な評価額を招き、悲観的な予測は過小な評価額を招く可能性があります。

③ 専門家の活用

企業価値評価は専門性の高い分野です。公認会計士や金融機関など、専門家の知見を活用することで、より精度の高い評価が可能となります。

まとめ

株式価格非上場の企業価値評価は、様々な要素を考慮し、適切な手法を用いることが重要です。本稿で解説した内容を踏まえ、専門家の意見も参考にしながら、自社の状況に最適な評価を実施していくようにしましょう。