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株式譲渡契約解除条項における表明保証違反と解除権発生要件

更新:2024-06-08 01:04:24読む:162

株式譲渡契約解除条項の概要

株式譲渡契約(以下、「本契約」という)は、企業買収や事業承継等、企業活動において重要な役割を果たす契約です。本契約において、当事者の一方が契約上の義務を履行しない場合、相手方は、一定の要件の下、株式譲渡契約解除条項に基づき、本契約を解除することができます。本稿では、株式譲渡契約解除条項の概要、種類、効果、実務上の留意点等について解説します。

1. 株式譲渡契約解除条項の意義

株式譲渡契約解除条項とは、本契約締結後に当事者の一方が債務不履行等一定の事由に該当した場合に、相手方が本契約を解除できる旨を定めた条項です。本条項は、契約当事者双方にとって、契約関係を解消し、当初の取引目的を達成することが困難となった場合に、法的安定性を確保するために重要な役割を果たします。

2. 株式譲渡契約解除条項の種類

株式譲渡契約解除条項は、大きく分けて、法定解除と約定解除の2つに分類されます。

株式譲渡契約

(1) 法定解除

法定解除とは、民法等の法律の規定に基づき、一定の要件の下、契約を解除できる制度です。本契約においては、例えば、債務者の一方が債務の履行を拒絶した場合や、履行遅滞に陥った場合等に、相手方は、催告を要件として、法定解除をすることができます。

(2) 約定解除

約定解除とは、当事者間の合意に基づき、一定の事由が生じた場合に、契約を解除できる旨を定めた条項による解除です。本契約においては、例えば、以下の様な事由を定めることが考えられます。

買収監査の結果、重要な虚偽表示が発見された場合

競争法上のクリアランスが得られなかった場合

譲渡会社の株価が著しく下落した場合

約定解除条項は、法定解除に比べて、当事者の自由な合意に基づき、解除事由や手続等を定めることができるため、実務上多く用いられています。

3. 株式譲渡契約解除条項の効果

株式譲渡契約解除条項に基づき本契約が解除された場合、契約は遡及的に無効となり、当事者は、原状回復義務を負います。具体的には、売主は、株式を買い戻し、買主は、受領した配当金を返還する等の義務を負います。ただし、当事者間で、解除の効果について別途定めをすることも可能です。

4. 株式譲渡契約解除条項に関する実務上の留意点

株式譲渡契約解除条項に関する実務上の留意点としては、以下の様な点が挙げられます。

解除事由を具体的に定めること

解除の通知方法や期限を明確にすること

原状回復義務の内容を詳細に定めること

解除に伴う損害賠償条項を設ける場合、その範囲を明確にすること

これらの留意点を踏まえ、株式譲渡契約解除条項を適切に規定することで、将来発生しうる紛争を予防し、円滑な取引を実現することが重要となります。

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