ブリヂストン株式会社株式実績推移

世界を支える技術力：ブリヂストン株式会社の挑戦

ブリヂストン株式会社は、1931年の創業以来、タイヤメーカーとして世界中でその名を轟かせてきました。しかし、その活躍の場はタイヤ製造にとどまりません。近年では、ゴムやエラストマー技術を基盤とした多角的な事業展開を進め、モビリティ、ビル&インフラストラクチャソリューションという新たな領域においても革新的な製品やサービスを提供しています。本稿では、ブリヂストン株式会社の挑戦を、その技術力に着目しながら紐解いていきます。

タイヤを超えて：モビリティの未来を創造する

自動車業界は、100年に一度と言われる大変革期を迎えています。CASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)に代表される新たな技術革新は、従来の自動車の概念を大きく変えようとしています。ブリヂストン株式会社は、このような変化をチャンスと捉え、タイヤメーカーから「モビリティソリューションプロバイダー」への進化を目指しています。

その取り組みの一つが、タイヤの空気圧や温度、摩耗状態などをリアルタイムに把握できるセンサー技術「CAIS(Contact Area Information Sensing)」の開発です。CAISは、タイヤと路面の接地面に関する情報を収集・分析することで、安全性向上や燃費効率向上、さらには自動運転技術の進化にも貢献することが期待されています。また、タイヤの摩耗状況に応じて課金するサブスクリプション型のサービス「TYREaaS(Tire as a Service)」も、モビリティの未来を変える可能性を秘めています。

都市の未来を支える：ビル&インフラストラクチャソリューション

都市化の進展に伴い、ビルやインフラストラクチャの老朽化、災害への備えなど、様々な課題が顕在化しています。ブリヂストン株式会社は、長年培ってきたゴムやエラストマー技術を駆使し、これらの課題解決に貢献する製品やサービスを開発しています。

例えば、免震ゴムは、地震の揺れを吸収し、建物への損傷を軽減する技術として、多くのビルや橋梁に採用されています。また、老朽化した橋梁の補修に用いる補強ゴムは、耐久性が高く、長寿命であるという特徴から、インフラの維持管理コスト削減に貢献しています。さらに、最近では、IoTやAIなどの最新技術と組み合わせることで、インフラの安全性や効率性をさらに向上させる取り組みも進めています。

持続可能な社会の実現に向けて

ブリヂストン株式会社は、「2050年 サステナビリティ長期戦略」を策定し、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。その取り組みは多岐にわたり、資源の有効活用、CO2排出量の削減、自然環境の保全など、様々な分野で具体的な目標を設定し、着実に実行しています。

例えば、タイヤの原材料である天然ゴムについては、持続可能な調達を進めるため、生産国における小規模農園の支援や、違法伐採の防止などに取り組んでいます。また、使用済みタイヤのリサイクルにも積極的に取り組み、リサイクル材を原料としたタイヤの開発や、舗装材などへの有効活用を進めています。これらの取り組みは、環境負荷の低減だけでなく、地域社会の発展にも貢献するものとして高く評価されています。

ブリヂストン株式会社は、これからも技術革新に挑戦し続け、人々の生活を支え、社会に貢献していく企業として、更なる進化を遂げていくことでしょう。