株式会社富士フイルム持株会

株式会社富士フイルム：1世紀にわたる変革とイノベーション

株式会社富士フイルムは、1934年の創業以来、常に変化を先取りし、革新的な技術と製品を生み出してきました。写真フィルムの製造からスタートした同社は、今日では、イメージング、ヘルスケア、マテリアルズという３つの主要事業を柱に、グローバルに事業を展開しています。その歴史は、まさに日本の製造業におけるイノベーションの象徴と言えるでしょう。

写真フィルムから多角化へ：時代を先読みする経営戦略

株式会社富士フイルムの成功の要因の一つに、時代の変化を的確に捉え、事業の多角化を積極的に進めてきたことが挙げられます。1980年代後半からデジタル化の波が押し寄せる中で、同社はいち早くデジタル化に対応した製品開発に着手しました。写真フィルムで培った高度な技術力とノウハウを活かし、デジタルカメラ、医療用画像診断機器、液晶ディスプレイ材料など、新たな分野へと果敢に進出していったのです。

また、M&Aを戦略的に活用することで、事業ポートフォリオの強化と技術力の向上も実現してきました。2006年には、医療機器メーカーの富士ノン株式会社を完全子会社化し、医療機器事業を強化。さらに、2016年には、バイオ医薬品受託製造大手の米国Cellular Dynamics International, Inc.を買収し、再生医療分野への進出を加速させるなど、積極的なM&A戦略によって、新たな成長の道を切り拓いてきました。

イノベーションを支える企業文化：挑戦と創造

株式会社富士フイルムのイノベーションを支えているのは、「挑戦」と「創造」を重視する企業文化です。同社は、「Never Stop」というコーポレートスローガンを掲げ、常に現状に満足することなく、新しい技術や製品の開発に挑戦し続けています。社員一人ひとりが、自由な発想とチャレンジ精神を持って仕事に取り組むことができる環境が、数々の革新的な製品を生み出してきたと言えるでしょう。

また、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、大学や研究機関、他企業との連携を通じて、新たな技術や製品の開発を加速させています。2018年には、横浜市にオープンイノベーション拠点「FUJIFILM Creative Plaza」を開設し、社内外の多様な人材との共創を通じて、新たな価値創造を目指しています。

サステナビリティへの取り組み：環境と社会に貢献

株式会社富士フイルムは、企業の社会的責任として、サステナビリティにも積極的に取り組んでいます。環境負荷の低減、資源の有効活用、人権の尊重など、様々な課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

具体的には、製品のライフサイクル全体における環境負荷の低減に取り組んでおり、省エネルギー型の製造プロセスやリサイクルしやすい製品設計などを推進しています。また、生物多様性の保全にも力を入れており、森林保全活動や生物多様性に配慮した工場緑化などに取り組んでいます。

未来に向けて：ヘルスケア領域での更なる成長

株式会社富士フイルムは、今後の成長戦略の中核にヘルスケア事業を据えています。写真フィルムで培った画像処理技術やナノテクノロジーなど、コア技術を医療分野に応用することで、予防、診断、治療のすべての段階において、人々の健康に貢献することを目指しています。

具体的には、AIを活用した画像診断支援システムや、細胞を用いた再生医療、予防医療など、幅広い分野で研究開発を進めています。また、世界中の医療機関や研究機関との連携を強化することで、革新的な医療ソリューションの創出を目指しています。写真フィルムの会社から、医療分野を含む多角的な事業を展開する企業へと変革を遂げた株式会社富士フイルムは、これからもイノベーションを通じて、社会に貢献し続けていくでしょう。