株式養育費

株式養育費とは

近年、新しい養育費の支払方法として「株式養育費」が注目されています。株式養育費とは、離婚や別居に伴い、養育費を支払う義務のある親が、現金ではなく、自身が保有する株式を子供のために信託銀行などに預託し、その株式の配当金や売却益を養育費に充てるという仕組みです。

株式養育費のメリット

従来の現金での養育費支払いと比較して、株式養育費には以下のようなメリットがあります。

1. 長期的な安定収入

株式は、企業の業績に応じて配当金が支払われます。そのため、将来にわたって安定した収入源を確保できる可能性があります。特に、成長性の高い企業の株式であれば、将来的に養育費の増額も見込めます。

2. インフレ対策

物価が上昇するインフレ時には、現金の価値は目減りしてしまいます。一方、株式はインフレに強い資産と言われています。企業はインフレに応じて商品の価格を値上げすることで、売上や利益を維持・拡大しようとします。その結果、株価や配当金も上昇する傾向があるため、インフレによる養育費の目減りを抑えることができます。

3. 財産形成

株式は、売却益も期待できる資産です。預託した株式の価値が上昇すれば、売却することでまとまった資金を得ることができ、子供の将来の教育資金や生活資金に充てることができます。

株式養育費のデメリット

一方で、株式養育費には以下のようなデメリットも存在します。

1. 株価変動リスク

株式の価格は、常に変動するものです。企業の業績悪化や経済状況の変化などにより、株価が下落する可能性もあります。その場合、配当金が減額されたり、売却時に損失が発生したりするリスクがあります。

2. 流動性リスク

株式は、現金と比べてすぐに換金できない可能性があります。特に、株式市場が混乱しているときなどは、希望する価格で売却することが難しい場合があります。

3. 手続きの複雑さ

株式養育費を設定するためには、信託銀行との契約や株式の移管など、複雑な手続きが必要になります。専門家のサポートが必要となる場合もあり、費用がかかる可能性もあります。

株式養育費の将来性

メリットとデメリットを踏まえた上で、株式養育費は、長期的な視点で子供のために安定した養育費を確保したいと考える親にとって、有効な選択肢の一つとなり得ると考えられます。今後、法整備や制度設計が進めば、より利用しやすい制度になっていく可能性もあります。