譲渡承認株式の取得と会社法上の問題点

株式譲渡承認手続とは

株式は、簡単に言うと会社の証券です。この証券を他の誰かに譲り渡す際には、一定の手続が必要になります。この手続を、株式譲渡承認手続といいます。

株式譲渡承認手続には、大きく分けて譲渡承認請求と譲渡承認の2つのステップがあります。

譲渡承認請求

株式を譲り渡す際には、まず譲渡承認請求をする必要があります。譲渡承認請求とは、会社に対して、株式を他の誰かに譲り渡したいのでそのことを承認してほしいと請求することです。

譲渡承認請求には、会社所定の書面を提出しなければなりません。この書面には、譲り渡す株式の数、譲り受ける人の氏名や住所、譲渡の理由などを記載する必要があります。

譲渡承認

会社が譲渡承認請求を受理すると、その譲渡を承認するか否かを検討します。会社が譲渡を承認した場合、会社は株式の名義を譲り渡す人から譲り受ける人に変更します。これが譲渡承認です。

会社が譲渡を承認しない場合、その理由を譲り渡す人に通知します。譲り渡す人は、会社の指示に従って必要な処置を講じる必要があります。

譲渡承認株式していない株式の譲渡

譲渡承認株式していない株式を譲り渡すことは原則としてできません。譲渡承認株式していない株式とは、会社がまだ譲渡を承認していない株式のことです。

ただし、例外的に、譲渡承認株式していない株式を譲り渡すことができる場合があります。それは、以下の要件を満たす場合です。

譲り渡す人が、その株式を相続または遺贈によって取得した場合

会社が、譲渡承認請求を受理してから30日以内に譲渡を承認または拒否しなかった場合

会社が、譲渡承認請求を受理後、正当な理由なく譲渡を承認しなかった場合

これらの要件を満たす場合でも、譲渡承認株式していない株式を譲り渡す際には、注意が必要です。譲り受ける人が株式の名義変更を会社に請求した際に、会社が譲渡を承認しない可能性があるからです。

株式譲渡承認手続に関する留意点

株式譲渡承認手続を行う際には、以下の点に留意することが重要です。

譲渡承認請求をする前に、必ず会社に相談すること

譲渡承認請求には、会社所定の書面を使用すること

譲渡承認請求書には、正確な情報を記載すること

譲渡承認が下りるまでは、株式を譲り渡さないこと

譲渡承認株式していない株式は、原則として譲り渡すことができないこと

株式譲渡承認手続は、複雑な手続きですので、専門家に相談することをお勧めします。